『すぐ書ける文章術』仕事で役立つ文章の作り方5つのポイント

『すぐ書ける文章術』仕事で役立つ文章の作り方5つのポイント




 はじめまして、レミです。

 突然ですが、あなたは自分の文章力に自信がありますか?

 メールやチャット、報告書など自分の意見を文章で伝える機会は多いですよね。文章力は、ビジネスマンにとって重要なスキルとされています。

 しかし文章を書くことに苦手意識を抱えている人も、意外と多いのではないでしょうか。

  • 伝えたいことはあるのに、上手く文章に出来ない。
  • 書くのに時間がかかってしまう。
  • 何が言いたいのかよく分からないと言われる。

 こうした悩みを抱えている方にオススメしたいのが『人一倍時間がかかる人のための すぐ書ける文章術』です。

 著者の吉田裕子さんは、文章の書き方を数学の勉強にたとえ、「効果的な文章の作り方を公式化し、実生活に活かすことで、文章力を高められる」と述べています。

 本書では、すぐに実践できる基本的な文章テクニックが数多く紹介されています。ここではその中でも、ビジネスシーンで使う頻度が高いものを5つピックアップしてご紹介します。



明日から使える文章の作り方

①多くの人に納得してもらえる文章を作るには?

 説得力のある文章を作るには、「自分と意見が正反対の人」をイメージすると良い、と吉田さんは述べています。

 一番手強い相手を想定して書けば、結果的に様々な人を説得できる文章になる、という訳です。

 では、自分と逆の意見を持つ人を説得するには、具体的にはどのように意見を伝えればよいのでしょうか。

 文章に説得力を持たせるには「意見・理由・具体例」の3点セットで述べることが重要です。

納豆が好きだ。なぜなら、おいしいから。
たとえばタカノフーズの「しそ海苔納豆」は、紫蘇の香りがさわやかで、少し甘みのあるタレも食べやすく、初心者にもおすすめだ。

 具体例は客観的事実を挙げると良いでしょう。客観的な事実は誰も否定することができないからです。

 これである程度うなずくところまでは持っていけます。

②話を整理しながら、客観的な目線で主張するには?

 大量の情報に接するときは、どこまでが事実で、どこからが書き手の意見なのかを見極める必要があります。

 事実と意見が混在すると、事実誤認や不要な衝突が生まれてしまうからです。

 事実と意見をはっきり分けて書くには、意見の部分に関して以下の2点を意識すると効果的です。

  • 「ここからは私見ですが」と前置きする。
  • 文末を「~だと思う」「~だろう」のようにする。

 また文章全体の流れは、「客観的事実を一通り述べ、その後に主観的意見を述べる」という順序にするとわかりやすくなります。

 西暦1008年頃には『源氏物語』が生まれていた。紫式部の活躍時期は、シェークスピアよりも約600年早い。それほど古い時代に、あれほど深い人間心理を描く物語が生まれたのは驚くべきことである。

③自分の話をより強く印象付けるには?

 今まで共感しながら聞いた話が、本当は真実ではないと知らされると驚きますよね。

 この性質を利用して、印象に残る文章にすることができます。

 最初は、身近な話や一般論、これまでの常識など、誰もが納得するところから入ります。

  • こんな経験、皆さんもありますよね。
  • 一般的にはこう言われています。
  • 従来、このように行われてきました。

 読み手が「たしかに」とうなずいた後、

  • しかし~
  • 実は~
  • これからは~

と本当に伝えたい意見を続けるのです。

 こうすると相手に強い驚きを与えて、結果として印象に残る文章になるというわけです。

 テレビや新聞を見ると、暗いニュースばかりが目に付きます。残酷な事件に目を覆いたくなることの何と多いことか。少年の凶悪犯罪もよく報じられています。

 しかし、2017年の刑法犯認知件数は戦後最少でした。少年犯罪についても、件数·発生率ともに減少傾向が続いています。

④端的に状況の説明や報告をするには?

 人は日常のコミュニケーションにおいて、自分の主観に基づいて情報を断片的に伝えてしまいがちです。

「私の担当するプロジェクト、すごいことになったよ!」
「どうしたの?」
「人員や予算が強化されるんだって!」
「すごいね! いつ決まったの?」
「春の社員総会で事業本部長が発表したみたい」
「そうなんだ! 何かいい要因があったのかな?」
「売上が好調だからだって!」

 このように、自分が伝えたいことだけを断片的に伝えてしまうと、相手はわからないことを都度確認しなければなりません。会話なら質問できますが、文章だとそうはいかないので、読み手はわからないことを放置したまま読み進めることになります。

 これでは読み手はストレスになりますし、伝えるべき情報を正確に伝えることができません。

 わかりやすく、正確に相手に伝えるためには、「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうしたのか」、いわゆる「5W1H」を共有することが大切です。

  • いつ(when)
  • どこで(where)
  • 誰が(who)
  • 何を(what)
  • なぜ(why)
  • どうした(how)

 この要素を埋めるように書けば、端的に状況を説明することができます。

 春の社員総会で事業本部長が、売上が好調だからと、私の担当するプロジェクトの強化を発表した。

③相手に共感してもらえる文章を書くには?

 自分の意見をどうしても通したいとき、人はそのことばかりプッシュしてしまいがちです。

 同じ意見を繰り返すのではなく、一度「たしかに」と相手の見解を受け止めてから伝える方が、聞く耳を持ってもらいやすくなります。

 ①で「意見・理由・具体例」の3点セットを紹介しましたが、これに「たしかに」の譲歩を取り入れると次のような構成になります。

  • 意見「私は~と思う」
  • 理由(+具体例)「なぜなら~」(+たとえば~)
  • 想定される反論「たしかに~」
  • 反論への反論(+再主張)「しかし~」(+「だから」)

 このように異なる意見を一度受け入れることで、「冷静な議論ができる人」という印象が生まれ、反対意見の人にも届きやすくなります。

①私は、夜型より朝型で生活したほうがいいと思う。
②なぜなら、午前中のほうが、頭が活発に働くからだ。
③たしかに、冬など、早起きするのは楽ではない。
④しかし、辛いのは数日のことで、習慣化すれば体のリズムがてきる。(だから、長期的に見て、時間が有効活用できる朝型の生活スタイルを構築すべきた。)

まとめ

 本書ではこのような実践的な文章術が多数紹介されています。

 一つ一つ具体例を交えながらやさしい表現で書かれているため、文章に苦手意識を持っている方でも、読んでいて苦にならないよう工夫されていると感じました。

 また吉田さんは、文章術の紹介だけでなく「アウトプットの重要さ」も述べています。

 大事なのは「実際に書いてみること」。

 読んで終わりにせず、文章を書くとき・話すときには、ぜひ本書で紹介されている文章術を取り入れてみてください。

 それではまた。




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野島レミ
・デザインと文章が好きな25歳
・趣味はロードバイク
・座右の名は「情けは人の為ならず」




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