【要約】リクルートで教わる「数字で考える」テクニック

【要約】リクルートで教わる「数字で考える」テクニック

 こんにちは、野島レミです。

 仕事をしていて、上司から「数字でものを考えろ」「数字を見ろ」と言われたことはありませんか? 仕事では「売上」「客数」「成約率」「商品単価」と数字の話がたくさん出てくるため、「数字で考えることが大切だ」というのは分かりますよね。

 しかし具体的にどうすれば、数字を理解し、仕事に活かすことができるのでしょうか。

 そこで手に取ったのが『「数字で考える」は武器になる』という本です。

 著書の中尾隆一郎さんは29年間リクルートグループに在籍し、技術職から営業、事業開発、マーケティング、管理会計、企業経営など様々なポジションを担当されてきた方です。

 リクルートグループには、「メディアの学校」という能力開発のためのコーポレートユニバーシティ(企業内大学)があり、中尾さんは通常業務とは別に、ここで11年間「数字の読み方・考え方」をテーマにした講座の講師もしていました。

 その講座内容にオリジナルの内容を加えてまとめたのが本書というわけです。

 リクルートグループは、どの部署も、特に経営陣や管理職は「数字で判断」を行うことが得意で、その判断に基づき、実際に行動を起こすのだそうです。たとえば数字をもとに実現性やROI(投資対効果)を確認し、数字に整合性があり実現性が高いと判断できた場合に起案を承認する、というように、数字を使って会話をし、数字で判断をするのです。

 「数字が苦手」という人は多いと思いますが、本書で扱うのは四則演算(+・-・×・÷)でできる「数字で考える力」なので、途中で挫折することなく学べるはずです。

 この記事では、「数字で考える」ことのメリットや、数字を使うことで仕事の生産性を高めるテクニックについて紹介します。

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「数字で考える」メリットとは?

 数字で考えると、仕事でどのように役に立つのでしょうか。

①経営者と「数字」という共通言語で会話できるようになる。

 1つは、経営者やマネジメント職と「数字」という共通言語で会話ができるようになることです。数字を使った資料を作成できるようになることで、「説得力」や「伝える力」が向上するとともに、リーダーシップが発揮できるようになります。

②数字の「意味」が読み取れるようになり、「儲けるセンス」が高まる。

 2つめは、数字の「意味」が読み取れるようになるという点。つまり計数感覚が高まり、結果として「儲けるセンス」がある人材になります。

③ROI思考で仕事するようになり、生産性が向上する。

 3つめは、常にインプット(時間やお金)に対するアウトプット(成果)、つまりROI(Return On Investment:投資対効果)を意識するようになり、自然と「仕事のスピード」や「生産性」が向上するという点です。

 「数字で考える」ができるようになると、利益につながる提案を高い説得力とともに行い、短時間で成果を出せる人になれます。

 中尾さんは、こうした人材を企業の利益を生み出す「黒字社員」と呼び、経営者やマネジメント職の方々が手放したくない人材だと述べています。

 黒字社員になるためには、生産性を意識した仕事ができなければなりません。

生産性を向上させる考え方とは?

 仕事の生産性を向上させるには、

  • 同じ仕事を、より短い時間で実行する
  • 同じ時間で、より多くの仕事をする

という2つの方向性があります。これらを実践する上で役立つ考え方を2つご紹介します。

①因数分解

 仕事で立て込んでいるとき、上司から「忙しいところすまないが、3日間で資料を作ってくれないか?」と頼まれたら、あなたはどう答えますか?

  1. 他の仕事が忙しいことを説明し、やんわりと断る。
  2. まず資料作成を了解して、それからスケジュールを考える。
  3. 内容と納期を確認し、対応を考える。
  4. 内容と納期を確認し、現在の仕事の状況を伝え、優先順位を確認する。

など、様々な回答があると思います。

 まず大切なのは、「納期」と「工数」を考えることです。「納期」とは、その仕事をいつまでに実施しないといけないかという「締め切り」のこと。「工数」とは、その仕事にかかる「見積もり時間」のことです。

 1のように納期も工数も確認せずに「忙しいから」と断ると、上司から仕事をお願いしづらいと思われますし、2のようにとりあえず了解してしまうと、のちのち自分の首を絞めることになったり、納期に間に合わずに上司の信頼を落とすことになったりします。

 生産性の高い人は、3、4のように仕事を「納期と工数の両方で管理」します。

 工数で見積もる際の重要なキーワードが「扱える荷物の大きさにする」です。あまりに大きな課題=仕事を与えられると、何から手をつけてよいかわからず、途方に暮れてしまうため、大きな課題=仕事を分解して、小さく分けて、小さくなった仕事を一つひとつ解決していくようにするのです。

例)
    設計:1H
  資料収集:1H
ドラフト作成:1H
  レビュー:0.5H
 修正・完成:0.5H
───────────
    合計:4H

 実際の業務の流れをイメージして、発生する仕事を細かく分け、それぞれにかかる時間を算出して、最後に合算します。この例では、資料作成は4時間かかると計算できます。

 仕事に取り掛かりやすいように小さく分割することを、本書では「因数分解」と呼んでいます。

 大きな仕事や長時間かかる仕事を見積もると誤差が大きくなりがちですが、自分が見積もれるサイズに細分化してから時間を割り出すことで、より正確な工数を割り出すことができるのです。

 それらの小さな仕事を解決し続けていくと、結果、もともとあった大きな仕事も解決できます。

②ROI思考

 仕事の生産性を高めるには、「やるべき仕事の順番」を見極めること大切です。そのために必要なのが「ROI思考」。

 ROIとは「Return On Investment(投資対効果)」の略で、「Return」は成果、「Investment」は時間・お金を表しています。

 ROIは「リターン(成果)÷インベストメント(時間・お金)」という式で算出することができます。

  Return(成果)
────────────
Investment(時間・お金)

 つまり生産性を上げるには、以下のいずれかの方法があります。

  • 分子(成果)を変えずに、分母(お金・時間)を小さくする。
  • 分母(お金・時間)を変えずに、分子(成果)を大きくする。

 「生産性」と聞くと少し抽象的で、数値化が難しいイメージを持ちやすいですが、実はこのようにシンプルな分数で表すことができるのです。

 「この仕事は重要なのか」「やるべき仕事なのか」は、ROIで判断することができます。また仕事の「重要度」を測れば、「やるべき仕事の順番」を見極めることができます。

 重要でない仕事とは、ROIが小さい仕事。つまり分子であるReturnが小さい仕事、あるいは分子のRと比較して分母のInvestmentが大きい仕事です。

 ROIが小さいだと分かれば、上司にやる必要がないことを説明して、仕事自体をなくしてしまうことがベストです。しかし、それが難しい場合は、投資する時間を最小限にする、つまりROIの分子を小さくして、ROIを大きくする必要があります。

 上司から依頼された仕事は全て重要だ、という考え方もあります。しかし上司も人間なので、無駄な仕事を依頼する可能性は0ではありません。生産性の高い働き方をするためにも、仕事を選ぶことは必須です。ぜひ勇気を持って、仕事を選別してください。

「時間」を「お金」に換算して説明せよ

 最後に、仕事で上司やクライアントに提案をする際に有効な、具体的な「数字」の使い方をご紹介します。

 最大のポイントは、「経営者の視点を意識すること」です。経営者の価値判断軸の1つは「お金」です。会社の無駄などがあった場合に、それをお金に換算して説明すると正当な判断をしてもらえる可能性が高まります。

 たとえば資料作成や会議にかかる時間をお金に換算して、無駄を「見える化」すると、ROIが明確になります。

 経営者は利益で物事を見ているため、コストを「お金」に換算してROIを説明することが有効です。

  • 年収400万円の従業員Aさん
  • 年収1000万円の管理職のBさん
  • 年収2000万円の役員のCさん

がいるとします。年間労働時間2000時間とすると、

  • Aさんの時給=2千円
  • Bさんの時給=5千円
  • Cさんの時給=1万円

となります。

 もしCさんと同じ年収の役員が5人いる会社で、3時間の役員会を開催すると、5人×3時間×1万円=15万円の人件費が発生します。

 そこに管理職Bさんクラスの人が3人同席したとすると、3人×3時間×5千円=4万5千円。Aさんが同席すると1人×3時間×2千円=6千円。

 合計で20万円。

 しかも、これは単純な人件費だけを計算した数値であり、実際は、社会保障、家賃補助、交通費などが必要なので、この2〜3倍のコストがかかります。人件費換算で20万円ということは、実際のコストは40万円〜60万円かかるということです。

 60万円のコストを使うということは、同額以上の利益を稼ぐ必要があります。営業利益率が10%だと仮定すると、60万円÷10%=600万円の売上に相当すると考えることもできます。

 3時間会議によって、少なくとも600万円程度の売上を生み出さないとROIが合わないとうことです。

 さらに言えば、もしこの役員クラスが3時間、営業に出た、あるいは製品開発に費やしたとしたらどうでしょうか。その価値はもっと大きいはずです。

 つまり直接人件費換算のコストの20万円だけでなく、売上の600万円、あるいはその時間に本来の業務をしていたらと考えると、この会議のROIはさらに高いものが求められるわけです。

 このように会議に求められる生産性を「お金」で説明されると、会議の生産性を高めることの必要性がよくわかります。そうすると、必要な人だけに参加者を絞り、当日の議論を効率的にして会議時間を削減しなくては、という考えになるかもしれません。

 提案の妥当性や費用対効果をお金に換算して説明できると、上司やクライアントに正当な判断をしてもらいやすくなるでしょう。

まとめ

 数字を取り入れることで、より生産性の高い仕事ができることが分かったのではないでしょうか。

 難しい計算は必要なく、単純な四則演算だけで、パワフルに作業を進めることができます。

 会社は利益を上げるために存在している以上、数字で管理することは必須と言えます。同僚や上司とも数字を使ったコミュニケーションをとることで、スムーズに仕事ができるはずです。

 本書では、仮説思考や損益分岐点、KPIなど、数字をビジネスに生かすためのノウハウが多数紹介されています。気になる方はぜひ読んでみてください。

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ライタープロフィール

野島レミ
・デザインと文章が好きな25歳
・趣味はロードバイク
・座右の名は「情けは人の為ならず」

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