人間の本能に合った成功法とは?
「仕事で成功する人」と聞くと、どんな人をイメージするでしょうか。
ひと昔前であれば、熾烈なビジネス社会を勝ち抜くために、ライバルを蹴落とし自己の利益を最大化できる人を思い浮かべたかもしれません。
そして同時に、「自分はそういう人間にはなれないな…」と感じるのではないでしょうか。
安心して下さい。いまの時代、成功するのは、”自分が与えるより多くを相手から受けとろうとする”「テイカー」や、”与えることと受けとることのバランスをとろうとする”「マッチャー」ではなく、”受けとる以上に多くを与えようとする”「ギバー」であるとするのが本書です。
誰しも持っている「与えたい」という人間の本能。これに沿った行いが成功につながるのだとしたら、これほど前向きで幸福な成功はないでしょう。
本書から、なぜ「与える人」は成功できるのかを学びましょう。
ポイント!
- 「ギバー」の基本的な考え方って?
- 「ギバー」はなぜ成功できるのか?
- ただのお人好しにならないために!
「ギバー」の考え方とは?
「与える人が成功する」というのはつまり、「情けは人のためならず」ということです。
「普段から他者に多くを与えていれば、いつか自分にも大きな見返りがもたらされる」ーこうした考えは、何も新しいものではありません。
しかし、本書でいう「ギバー」とは、こうした見返りに対する「事前の期待や意図」がなく、いつ返ってくるのか、そもそも返ってくるかどうかも分からない状態でも、相手のために「与える」ことができる人のことを言います。
テイカーとマッチャーも状況によって与えることはあるが、あくまで戦略的なもので、自分がした貢献に匹敵するか、あるいはそれを上回る見返りを相手に期待する。
「自分の利益よりも相手の利益を優先させる」なんてただのお人好しで、ビジネス社会では生き残っていけないと思われるかもしれません。
しかし、著者であるアダム・グラントは、組織心理学における膨大な実証研究をもとに、いまの時代は「ギバー」こそがもっとも成功できると結論付けました。
なぜ、ギバーは成功できるのでしょうか。
「ギバー」はなぜ成功できるのか?
ギバーが成功できる理由は、大きく「環境的な要因」と「独自のコミュニケーション法」に分けられます。
「環境的な要因」とは、現代のように「チームワーク」や「協同」が重視されるビジネス社会では、ギバーとしての価値を証明するチャンスが溢れているということです。
また、ソーシャルメディアの浸透によって、ギバーとしての人間関係や評判が広まるペースも加速されている点も挙げられています。
「独自のコミュニケーション法」については、「人脈づくり」「協力」「人に対する評価」「影響力」の4つの分野におけるギバーの特徴が分析されています。
例えば「人脈づくり」では、テイカーとマッチャーが「近い将来、自分を助けてくれそうな人」に的を絞ってネットワークを築くのに対して、ギバーは直接自分の利益にはならない場合でも、積極的に人と人とをつなぐ役割を果たします。
それは「ネットワークとは自分のためだけにつくるものではなく、すべての人のために価値を生み出す道具であるべきだ」と考えているからです。
「何かを手に入れたい」という目的だけでネットワークをつくろうとすれば、うまくはいかないだろう。ネットワーク自体に利益を「追求」することはできない。利益は、有意義な行為や人間関係に投資した結果として得られるものだからだ。
誰に対しても「与える」ことで人脈を広げていくギバーは、親友や同僚といった「強いつながり」だけでなく、ちょっとした知り合いのような「弱いつながり」や「休眠状態のつながり」も最大限に活用できます。
そして筆者は、「強いつながり」よりも「弱いつながり」や「休眠状態のつながり」の方が価値を生みやすいと主張します。
強いつながりは同じネットワークのなかだけで交流するので、同じ機会を共有することが多くなる。それに対し、弱いつながりは、異なるネットワークのほうに、より開かれているので、新しいきっかけを発見しやすくなるのである。
自己の利益を優先するテイカーや、見返りが期待できない相手には与えようとしないマッチャーにとって、こうした「ゆるい」つながりを活用するのは困難です。
「人脈づくり」の特徴一つにおいても、ギバーは両者よりはるかに優位に立っているのです。
ただのお人好しにならないためには?
とはいえ、自分を犠牲にして相手の利益を優先するだけでは、ただの「お人好し」としてテイカーの食い物にされてしまう可能性もあります。
多くの人が「ギバー」としての価値観を持ちながら、ビジネスの現場ではテイカーやマッチャーとして振る舞ってしまうのは、ひとえにこうしたリスクを恐れているからでしょう。
本書が興味深いのは、もっとも成功しやすいのはギバーであると結論付ける一方で、もっとも成功できないのもギバーであるとしている点です。
つまり、単に「見返りを期待せずに与える」だけでは、成功の条件は満たされないのです。
両者の違いは「自己犠牲タイプ」と「他者志向タイプ」というキーワードで説明されています。
自分を犠牲にして与えていれば、すぐにボロボロになってしまうだろう。「他者志向」になるということは、受けとるより多くを与えても、けっして自分の利益は見失わず、それを指針に、「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決めることなのである。
成功するギバーは、自分を犠牲にすることなく相手の利益にも強い関心を示し、「ウィン・ウィン」の関係を築きます。
他者に利益を与えることは、何も自分の利益を削ることとイコールではないからです。
スポーツはゼロサムゲームで、誰かを勝たせれば自分は負けることになるが、仕事では双方が得をするウィン・ウィンが可能だということに気がついた。顧客の利益は、私自身の利益と対立する必要はない。
自己犠牲の「ギブ」ではなく、他者志向性をもって「ギブ」することが、成功するギバーと失敗するギバーとを分ける鍵なのです。
まとめ
実際、ほとんどの人は「与える」ことの大切さは既に分かっているはずです。
それでもギバーになりきれないのは、「それで本当に成功できるの?」と半信半疑になってしまうからでしょう。
「本当に成功できるか分からないから与えない」というのはテイカーやマッチャーの発想ですが、本書を読めば、自然と「もう少し意識的にギバーになってみよう」という前向きな気持ちが生まれてくるはずです。
ビジネスの現場で、いつも自分の利益を優先してしまいうまく取引をまとめられない人や、自分の利益を犠牲にするばかりで思うような見返りが得られていない人は、本書から「成功するギバー」の姿を学んでみて下さい。
合わせて読みたい
「ウィン・ウィン」を生み出す「ギバー」の交渉術について、もっと詳しく理解したい方にオススメです。
今回利用したお店
・店名 :HARUMARI-ハルマリ-
・住所 :東京都渋谷区道玄坂2-10-3
・TEL :03-6809-0525
・営業時間:11:00-24:00
・定休日 :無
モデルプロフィール
・名前 :田村亜美
・生年月日 :1988.4.22
・出身 :埼玉
・職業 :メーカー勤務
・将来の夢 :まだ決まってません!
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