こんにちは、アメリです。
新年度が始まり、環境がガラリと変わった人も多いのではないでしょうか。仕事や勉強をがんばろうと気合いの入る時期ですが、それと同時に上手くやっていけるのか不安を感じやすい時期でもあります。
そうした不安な気持ちって、実はとてもやっかいなもの。何か行動を起こすのをためらってしまったり、自分の本音が言えなくなってしまったり…。
私の場合、「そんな消極的になってしまっていいのか…」と、さらに不安になってしまうスパイラルに陥ることが多々あります。
せっかく意欲が高まるはじまりの季節なのに、そんなことではもったいない! 不安に邪魔されることなく、新しい一歩を気持ち良く踏み出したいですよね。
不安を克服する方法は数多く紹介されていますが、『不安が消えるたったひとつの方法』(長南瑞生・著)では、仏教の教えの中に不安に打ち勝つ秘訣があると述べられています。
仏教は生きている間に幸せになる教え
もともと信仰がある人は別として、ほとんどの人は「仏教」にあまり馴染みがないと思います。そのため「仏教=お葬式?」くらいの認識なのではないでしょうか。(私は本書を読むまでそんな感じでした)
仏教は、約2600年前にブッダが説いた教えで、すべての人が生きているうちに絶対の幸福となる「平生業成(へいぜいごうじょう)」を目的としています。つまり本来お葬式だけではなく、生きている時に幸せになるための教えなのです。
仏教を学べば、私たちは不安を根本からなくし、揺るがない幸せを手にすることができるのです。
人間が抱く2つの不安とは?
人によって何に不安を感じるのかは様々ですが、私たちが感じる不安は、大きく分けると2種類あるそうです。
一つは「生活の不安」、もう一つは「人生の不安」です。
「生活の不安」とは?
「生活の不安」は、文字通り普段の生活の中で生まれる不安のこと。試験の合否や対人関係など、具体的な悩みがこれに当たります。
比較的近い未来への不安で、原因がはっきりしているため、努力次第で和らげることができます。世の中に溢れている不安解消法のほとんどは、この「生活の不安」に対処するものだと言われています。
「人生の不安」とは?
一方、「人生の不安」は、「なんのために生まれてきたのか?」「どうやって生きていけばいいのか?」「死んだらどうなるのか?」といった、もっと漠然とした不安です。生きている限りずっと付きまとう「生と死」に関する不安と言えるでしょう。
「人生の不安」は原因がはっきりしない、ぼんやりとしたものなので、普通の人はなかなか自覚しづらいのだそうです。誰もがいつかは死ぬことは分かっていても、それがすぐ目の前に迫っているものとして感じられる人は少ないですよね。
しかしこの「人生の不安」こそが不安の根本原因であり、これをなんとかしないことには「生活の不安」は次から次へ湧いてくるため、不安のループから抜け出せません。
ブッダはこれを全人類が抱えている「心の病」といい、これさえ治せば、自分の外側の世界はまったく変えることなく、一瞬で完全無欠の幸せになれると説きます。
ではどうすれば「心の病」を治すことができるのでしょうか。
「人生の不安」をなくす方法
結論から言うと、それは「仏教の教えを学べ」ということになります。
ブッダの教えは一生涯に一切経七千四巻といわれるたくさんのお経となって残されています。なぜそんなにたくさんあるかというと、人それぞれ苦しみや不安の形は違うからです。相手の心に合わせて導いた結果、膨大な量のお経となったのです。
そのため、読者それぞれの「人生の不安」を解決する具体的な方法を、一冊の本に記すことは当然できません。
膨大な数の仏教を聞くことで、自分自身の「人生の不安」をなくすことができ、本書はそのきっかけを与えてくれる本なのです。
仏教は近代科学と両立可能な唯一の宗教
「仏教は、近代科学と両立可能な唯一の宗教である」とは、アインシュタインの言葉です。
仏教は他の宗教とは異なり、「神」という存在がありません。不安に苦しむ「人」がいて、その苦しみをなくすためにブッダが説いた教えだからです。つまり科学がどれだけ進歩しても、時代が変わっても、矛盾することなく力を発揮できる唯一の宗教が仏教なのです。
だからこそ、アップルの創業者スティーブ・ジョブズや、フェイスブックの創業者マークザッカーバーグなど、ビジネスの世界でも多くの著名人がブッダの教えを学んでいます。
仏教を学ぶきっかけとなる一冊
仏教を学び、「人生の不安」を克服すれば、私たちは「何があっても変わらない心」(=金剛心)を手に入れることができると言います。
他人からの心無い一言や予想だにしない状況の変化など、普通の人なら動揺してしまいそうなことに対しても、一切動じることがなくなります。
この揺らがない心を持つことこそが、不安の一切ない幸福状態であり、すべての人がこの状態になることが、仏教が目指す最終地点なのです。
本書のタイトルを見て、「今の不安を完全に消し去るための具体的な方法」について書かれているのだと思う方もいるかもしれません。しかし率直に言うと、この本を読むだけで「人生の不安」を消し去ることはできません。
しかしこれまで「仏教=お葬式のときに聞くもの」くらいにしか知らなかった人にとっては、仏教の考え方や本来の役割をに学ぶことができ、興味を持つきっかけになる一冊と言えます。
常になんらかの不安に囚われ、心の底から幸福を感じられていない方は、ぜひ「人生の不安」を克服するための第一歩として本書を読んでみてください。