突然ですが、みなさん「マインドフルネス」って知っていますか?
そうです。かの有名なAppleの創業者、スティーブ・ジョブスが瞑想を通して身につけていた心理状態のことです。
ただ、僕を含めて多くの人は、
- 言葉は聞いたことがあるけど、きちんと理解してない。
- やったほうがいいのはわかるけど、続かないんだよなぁ…
というのが本音ではないでしょうか。そこで、だれでも10秒からできるマインドフルネスを紹介した『1日10秒マインドフルネス』を読んでみました。
著者の藤井英雄さんは精神科医40年、瞑想歴40年に及ぶマインドフルネスの大先輩…! 今回は、そんな大ベテランの先生が書いた本書の教えをもとにマインドフルネスを実践してみました。
そもそもマインドフルネスってなに?
この本によると、マインドフルネスとは、過去や未来のような非現実な世界を忘れ、「今、ここ」の現実にリアルタイムかつ客観的に気づいている状態のことだそうです。
具体例を示しながら説明してみましょう。以下の図をみてください。
図の左、Bさんのように、「Aさんに挨拶をしたのに無視された」と現実をネガティブに捉えてしまうと悲しい気持ちになりますよね。ここでBさんが、「Aさんは無視をしたのではなく、スマート・フォンを見ていて気づかなかったのかもしれない」と別の可能性に気づくことができたらどうでしょう。悲しい気持ちが和らぎ、冷静になれるはずです。
このように、「今、ここ」で悲しい気分に陥っているときに、「自分がゆがんだ思考によって悲しい気分に陥っている」という現実に気づくことがマインドフルネスであり、その状態に至るための訓練方法が「瞑想」というわけです。
ただ、いざやるとなると「毎日時間をとらないといけないから大変なんじゃ…」と思いますよね。
そこで本書では、どんなに忙しい人でも実践可能な、10秒からできるマインドフルネスが紹介されています!
10秒でできる! マインドフルネス
10秒マインドフルネスは、以下の3つのプロセスで行います。
- はじめの宣言…「今からマインドフルネスのエクササイズを始めます」と宣言する。
- 感じる…「今、ここ」の現実を10秒間、感じる。
- 終わりの宣言…「ここからマインドフルネスな状態で生きる」と宣言する。
①で「はじめの宣言」をするのは、そうすることで日常との区切りができて、心をエクササイズに集中させる効果があるためです。
②の「感じる」では、まわりにある音を「いい音だ」とか、「うるさい」といった価値判断をせずに、あるがままの音として聴き取ります。
また、③で「終わりの宣言」をするのは、言葉にすることで潜在意識に働きかけ、終わった後もマインドフルネスの持続時間が伸びる効果があるからです。
この10秒間の訓練を通して、「マインドフルネスな状態を持続する力」を養うことができるわけです。
たった10秒でできるので、
- 満員電車で立ちながら
- パソコン仕事で座りながら
- 駅から家まで働きかながら
など、ちょっとした隙間時間に実践し、マインドフルネスになることができます。
仕事でミスして落ち込んだり、同僚の態度にイライラしたり、来週のプレゼンが不安になったり、過去や未来のような「頭の中のバーチャルな世界」に漂ってしまうと、どうしてもネガティブな思考に陥りがちです。
そんな時に10秒だけ時間をとって、「今、ここ」でやるべき仕事に集中できるようになりましょう。
この記事では、基本的な作法だけ紹介しましたが、本書では「腹式呼吸」や「歩く動作」を使った別の方法についても紹介されているので、自分にあったマインドフルネス方法を探してみてくださいね。
マインドフルネスを実践してみた結果
僕自身もマインドフルネスを二週間ほど実践してみました。
その結果、効果があったのは「入社前、新卒として入る会社に対して感じていた曖昧な不安」に対してです。大学を卒業し、いよいよ社会人として働くタイミングになって、いろいろな不安がテロップのように頭を回っていました。
そこで10秒間マインドフルネスを実践し、出てきた雑念に対して、
- 「自分は、社会人としてちゃんと働けるか不安に感じている」
- 「同期や上司とうまく関係を作れるか心配している」
という風に、自分の今の状態を実況していきました。このようにマインドフルネス中に出てきた雑念に気づくことを、「棚上げ」といいます。
そうして自分のネガティブな思考や感情を客観視することで、「起きてもいない未来のことをそんなに気にしてもしょうがないか」と前向きに考えることができました。
曖昧なものをどれだけ考えても解決策はでません。しかし、一度明確になってしまえば「今、何をすべきか」が見えてきます。
マインドフルネスは積み重ねが大事
いかがでしたか。一日10秒からできるマインドフルネスは、どんなに忙しい人でも、「今に気を集中させて、心を落ち着かせてくれる手助け」をしてくれます。10秒なら会社でもできますからね。
とはいえ、日常のどんな場面でもマインドフルネスな状態になるためには、著者がいうように日々の積み重ねが必要でしょう。僕も継続的に行い、機会があれば成果を報告したいと思います。
それでは。