世界の女性起業家が教える!「好き」を仕事にする方法とは?

世界の女性起業家が教える!「好き」を仕事にする方法とは?




「好きな事を仕事にしたいけど、食べていけるか不安」
「仕事か結婚か、どちらを選ぶか悩んでいる」
「失敗が怖くて、新しい事に挑戦できない」

 今回は、そんな悩みを解決するヒントがもらえる本をご紹介します。全米で30万部を記録したベストセラー『自分で「始めた」女たち』です。

 著者は、クリエイター向けウェブサイト「Design Sponge」を開設した元雑誌編集者のグレース・ボニーさん。彼女は、女性のクリエイターたちにアドバイスやリソースを提供したい、世の中にはバラエティに富んだ多くの選択肢があることを知ってほしい、との思いから本書を出版したそうです。

 本書では、職業も年齢も人種も学歴も様々な112人の女性がインタビューに答えています。そんな彼女たちの共通点は、「好き」を仕事にするために努力してきたということ。

 彼女たちのエピソードに触れると、「これは私だ」「こんな女性になりたい」と思える人が見つかり、今あなたが抱えている悩みを解決するヒントを発見できるかもしれません。本書は、そんな可能性を秘めた一冊です。

 オールカラーという贅沢な作りで、ファッションカタログのようにおしゃれな写真で溢れ、見ているだけでワクワクしてしまう本書。目次には、112人の女性の名前がずらりと並び、どのページを開いても魅力的な女性が登場するので、どこから読めばいいのか迷ってしまうかもしれません。

 もちろん最初のページからじっくりと読み進めてみても良いのですが、この記事では、は本書のおすすめの読み方と、とびきり輝く5人の女性をピックアップしてご紹介したいと思います。



さて、どう読む? おすすめの読み方3選

 本書に登場するのは「クリエイター職」の女性たちがメインで、総務や経理、人事といったいわゆる「オペレーター職」に就いている女性は登場しません。

 クリエイターとは、直訳すると「創造する人」。ミュージシャンや作家、ジュエリーデザイナーに写真家など、様々な「好き」を仕事にしている女性が出てきます。

読み方① By職業

 まずは、気になる職業の女性のページを読んでみるのがおすすめです。あなたはどんな分野で活躍している女性の話が気になるでしょうか? 自分が何に惹かれるのかを知ることで、本当に自分がやりたいことが見えてくるかもしれません。

 本書には、造本家やタトゥーアーティストといった少し珍しい職業の女性も登場します。「好き」が高じれば何でも仕事として成り立つのだと驚くと同時に、「自分も諦めずにやりたいことをやろう」と勇気をもらえることでしょう。

読み方② By個性

 雑誌やテレビなどのメディアで紹介される実業家やクリエイターの女性たちは、若くて美人な方が多いような気がします。けれど、本書で紹介されている女性は、そんなステレオタイプの女性ばかりではありません。

 心や身体に障害のある女性、LGBTの女性、還暦を過ぎても第一線で活躍する女性など、とても個性豊かです。家族を持つことを諦めたと語る女性もいれば、子どもの存在が元気の源だと語る女性もいます。

 気になる個性にフォーカスして読んでみることで、自分らしく生きる彼女たちの話に励まされ、自分にだってできるはずだと背中を押してもらえるはずです。

読み方③ Byときめき

 どのページも、見ているだけでワクワクするおしゃれな写真で溢れているため、ページをめくっていてビビッとときめいたところから読んでみるのもおすすめです。

 目に止まるのは、女性たちのとびきりの笑顔やオシャレな服装だけではありません。格好良くコーディネートされたオフィスや、可愛らしいアトリエの写真は、見ているだけでインスピレーションを与えてくれます。

 では、本書に登場する女性たちとはどんな魅力をもっているのでしょうか。私が気になった5名の女性をご紹介します。



自分で始めた5人の女性

①「大手企業を辞めることに悔いなし」ーNanda Home and Toymail Co.創業者ゴーリ・ナンダ(プロダクトデザイナー)

 大学を卒業後、アップルに就職するも、早々にMIT(Massachusetts Institute of Technology)メディアラボに転職。自由な環境の中で創造の喜びを味わい、常識にとらわれない新しい発想を生み出すことができたそうです。

 世界観が変わったのは『誰のためのデザイン?』(D・Aノーマン/新曜社)を読んだのがきっかけで、身の回りにある様々な問題はデザインを変えることで解決できると考えるようになったとか。たとえば、二度寝を許してしまう目覚まし時計も、デザインを変えるだけでちゃんと役に立つ目覚まし時計に変身するそうです。

 彼女の立派な経歴を見ると、自分にはとても無理…と怖気づいてしまいそうですが、キュートな笑顔にきっと親近感を抱くと思います。彼女のモットーは、ナイキが掲げる「Just do it.(とにかく行動せよ)」。彼女が生み出す可愛らしいプロダクトからは、彼女が本当に仕事を楽しんでいることが伝わってきます。

②「弁護士から転身」ーThe Bunkhouse Group創業者リズ・ランバート(ホテル経営者)

 元々はテキサス州の訴訟弁護士だったという彼女。ホテル経営について、最初は右も左もわからなかったそうです。そんなとき、たまたま業界誌に載っていた某有名ホテルグループの創業者にいきなり電話をかけ、自分の事業計画書を見てもらったというから驚きます。

 そんな大胆な一面がある彼女ですが、事業を始める上で一番大事なのは「財務報告書の読み方を覚えてキャッシュフローを理解すること」だといいます。シビアに語る姿勢からは、経営者としての頼もしさを感じます。

 ちなみに、人生にとって本当に大事なことをやらなくちゃ、と気づいたのはシャワーを浴びていた時だそうです。

 無難に生きたってしょうがない、って。自分でもわけがわからなかったけど、シャワーを出たときには心が決まっていた。

 人はいつ、どんな場面で人生のターニングポイントを迎えるかわからないものです。

 インスピレーションが必要なときやスランプから抜け出したいときは、旅をして他人の人生を見に行くそうです。まさに本書も、他人の人生を見ることができるツールですよね。



③「障害があってもやりたいことをやる」ーマリアム・パレ Mariam Paré(アーティスト、デザイナー、講演家)

 20歳のときに発砲事件に巻き込まれて脊髄を損傷し、いまも四肢が不自由な生活をしています。それでも彼女はとてもポジティブ。「できないことではなく、できることに目を向ける。そして、それを伸ばして卓越の域にまで高める努力をする」ことを貫いています。障害のあるなしに関わらず、この考え方はぜひ見習いたいものです。

 厳しいリハビリを乗り越え、口で絵を描く技術を身に付けた彼女は、現在マウスペインターとして活躍しています。彼女の描く絵はとてもユニークで、インパクトがあります。しかし彼女は、アーティストとは単によい作品を生み出せばいいというものではないと言います。

 アーティストの仕事って作品の作成だけじゃないだとわかった。人と関わり、自分の作品について自信をもって上手に伝えられることも、創作と同じくらい大事なんだって。

 クリエイターは、他人から評価されるのを待つばかりの受け身になりがち。でも彼女には、積極的に自分の作品の素晴らしさを伝えようとする姿勢があります。障害があることに卑屈にならず、いつも自分を信じる彼女の姿勢にきっと励まされるはずです。

④「自分に正直に生きる」ーWinterbureau創設者ヴェロニカ・コーゾ・デュカート(グラフィックデザイナー、アーティスト)

 今はインターネットで簡単に他人の生活をのぞける時代です。SNSを開けば、海外のビーチでバケーションを楽しむ女性の姿や、流行のファッションに身を包み、人気のカフェでランチしている写真や動画で溢れています。

 あたかも世の中は成功者ばかりであるかのように錯覚してしまいそうですが、彼女は、他人の生活には外に見せない部分があるということを忘れてはならないと言います。誰しもが「好き」を仕事にできているわけではありません。

 格好つけるのはやめて、別の仕事で食べているアーティストの実態についてもっと正直に言うべきだね

 彼女のホームページを見ると、彼女自身もアーティストとして食べていこうとまだまだ必死に努力している途中であることがわかります。そして本書のインタビューでは、同性の恋人がいることもオープンに語っています。ありのままの姿を見せる彼女の言葉には力があり、とても信用できます。

 「成功についてもっとオープンに、正直に、語られるべきだと思う」と語る彼女。

 そんな彼女が自分で経営してみて得た最大の教訓は、「自分にとって一番大切なことを選んで、それを追求すること」だそうです。すべてをやろうとしなくていい、自分だけができることに努力を注ぐべきだと彼女は語ります。

⑤「好き」なことで社会貢献ーAyumi Horie Pottery創業者アユミ・ホリエ(陶芸家)

 アジア人が成功するのはまだまだ容易でないアメリカで、陶芸家として数々の賞を受賞している日系アメリカ人の彼女。作品はどれも本当にキュートで、何気ない毎日を楽しくしてくれそうなものばかりです。

 手づくりの魅力と個性を保ちながら、いかにより多くの人に手にとってもらえるかが課題ね。

 東日本大震災の際、彼女は被災者支援のために「ハンドメイド・フォー・ジャパン」を立ち上げ、10万ドル以上を集めたそうです。「全身で、これはやるべきこと」だと感じたと言います。これを成し遂げたことは、いま陶芸家としての彼女の最大の誇りとなっているそうです。

 そんな彼女が自分でビジネスを始めて得た最大の教訓が語られています。

 何度も学んできたのは、品質で妥協してはいけないということ。
 完璧にするために必要な小さなディテールすべてに心を配ると、倍の時間がかかるかもしれない。でも、その手間をかける価値はある。

 陶芸家に限らず、これはすべてのクリエイターに通じるものではないでしょうか。

終わりに

 自信に溢れた笑顔を見せる彼女たちですが、インタビューでは不安やこれまでの失敗談についても正直に答えてくれています。

 本書に出てくる女性の多くは、「自分で始めたばかり」なのです。彼女たちのホームページをのぞくと、いまも試行錯誤しながら「好き」を仕事にしている様子が垣間見えます。

 国や文化、職業は違えど、彼女たちの言葉は「好き」を仕事にしたい人に何かしらヒントをくれるはず。これはいつも手が届くところに置いておきたい、女性たちのバイブル的一冊です。






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