人工知能やAIと聞くと、「人間の仕事が奪われる」「失業者が増加する」といったネガティブなイメージを抱く人も多いでしょう。
しかし人工知能やテクノロジーの進化は、人間の仕事を「奪う」のではなく、辛くてつまらない仕事を「代行」してくれるとも言えます。
そのおかげで、人間はより人間らしい仕事に就くことができるようになります。
未来に対して漠然とした不安や危機感を抱いてしまうのは、AIやテクノロジーについて知らない事が多いからです。
自分は理系じゃないし、人工知能とかテクノロジーとか言われてもよくわからない、という人におすすめなのが、『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』です。
本書は、人工知能やテクノロジーについて「働き方」という視点から解説し、これから私たちの仕事はどう変わっていくのか、そのために「今」何をすべきなのかという疑問について、真っ正面から答えてくれます。
未来に向けて行動を起こすためには、今起きている変化について「知る」ことが何より重要です。
本書から「今の仕事をどう変化させていけば、人工知能時代に幸せに働けるのか」を学び、そのための準備を始めましょう。
なぜ2020年までに準備するべきなのか?
本書では、2020年の東京オリンピックの頃には、人工知能が私たちの生活にとって当たり前のものとなると言います。なぜ2020年なのでしょうか。
それは、2007年に発売された初代iPhoneが、当時は新しいモノ好きの一部ユーザーにしか使われいなかったものの、7年後の2014年には世界中の人々が使うようになっていたように、すべてのテクノロジーは、生まれておよそ5年から7年で人々の生活の当たり前になるという周期があると言われているからです。
AIの急激な進化をもたらした「ディープラーニング」が生まれたのが2013年頃なので、それから7年後の2020年には、今のインターネットやスマホと同じように、私たちにとって「あるのが当然、ない生活は考えられない」ものになっていることが予測される、というわけです。
もやはAIやロボットと一緒に暮らす生活は、近い将来に必ず訪れるものとして向き合い、そのための準備をしなければならない時期にきています。
重要なのは、「テクノロジーによって人の仕事が奪われる」と考えるのではなく、「テクノロジーに代替されない、人にしかできない仕事に、どうやって私たち1人1人の仕事を進化させていくか」を考えることです。
AIに代替されない価値のある仕事とは?
AIに代替されない、人にしかできない仕事というのはどういう仕事でしょうか。
それを知るには、「AIの得意なこと・苦手なことは何か?」という視点から人間の価値を考えてみることが重要です。
本書では、AIが得意な分野、人間が価値を発揮しやすい分野について、次のマトリクスで解説しています。
細かい説明は本書を読んでいただきたいのですが、このマトリクスの中でAIが得意なのは、言うまでもなく左下の領域です。
つまり論理的・分析的・統計的で、構造的な(マニュアル化されている)仕事をしている人は、「近いうちにAIに代替される可能性が高い」といえます。
今、左下の領域で働いている人は、何らかの要素を付け加えることで、他の3つの領域に仕事を「変化」させていかなければ、いずれAIに代替されてしまうでしょう。
逆にいえば、「AIが苦手な領域」での仕事を増やしていければ、AIに代替されることなく働き続けることができます。
当然、転職というのは手段の一つとしてあります。しかし会社や職を変えなくても、今の仕事のまま、他の領域に変化させることは可能です。
AI時代に向けて、今の仕事をどう変える?
上記マトリクスの中で、最も代替されにくいのは、AIの得意な領域と正反対にある「イノベーター」です。
しかし誰もがいきなり「イノベーター」になれるわけではありません。著者は、いきなり右上の領域を目指すのではなく、今の仕事で
- 「より感性的・身体的・直感的になるにはどうすればいいか」
- 「問いを立てるにはどうすればいいか」
を考えた方が、実践的かつ現実的であると勧めています。
では、今の仕事をAIに代替されないものに変えていくためには、具体的に何をすればいいのでしょうか。
本書では、以下の4つの職種について、具体的にどのような変化を加えていけば、AIに代替されることのない価値を身につけることができるのかを解説しています。
- 営業接客系
- 製造系
- 技術系
- 事務管理系
端的に言えば、人工知能時代においては、「今までとは反対側にある仕事・事柄」にチャレンジすることが求められます。
営業・販売でいえば、「人と接する」ことの反対にある「データと仲良しになる」仕事。
製造では、「時間を短縮させ効率を上げる」ことの反対にある「感情コミュニケーションの時間を多くとる」という仕事。
技術では、「論理」の反対にある「感性・直感」の能力を活用する仕事。
事務・管理では、「前例踏襲」ではなく「未来志向」、そして「コストセンター」ではなく「プロフィットセンター」になる仕事。
「今までとは反対側の仕事や事柄にチャレンジする」ことで、AIに代替されない、人間にしかできない価値を身につけることができます。
2020年に向けて今すぐ準備しよう
こうしたチャレンジができない会社に勤めている人は、迷わず転職しましょう。
新入社員の人でも、「3年は最初の会社で働くべき」などと考える必要はありません。
先に述べたとおり、2020年にはAIが世の中に当たり前に浸透していると予想されます。3年後にAIによって取って代わられてしまう仕事に、大切な3年という時間を費やすべきでないのは言うまでもないでしょう
転職先を考える際は、
- 「これから成長が予想される産業かどうか」
- 「今までとは反対側の仕事や事柄にチャレンジできる企業かどうか」
を重視して探すようにしましょう。
転職サイト、転職エージェントを使うのであれば、国内最大手の以下の2つがおすすめです。
■公式サイト:リクナビNEXT
■公式サイト:リクルートエージェント
「リクナビNEXT」は、無料登録するだけで、自分の強みを診断できる「グッドポイント診断」が利用できたり、非公開求人からのオファーがくる「スカウト機能」があったりと、業界トップだけあってサービスの質が高くて充実しています。
転職を少しでも考えている人は、一つ目の転職サイトとしてまず登録しておきましょう。
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また、いざ転職を決意したら、転職エージェントの利用は必須です。
すべて無料で利用できるので、自力でなんとかしようなどと考えるのは時間と労力のムダなのでやめましょう。
転職エージェントに登録すると、各業界・職種について専門的な知識をもったキャリアアドバイザーに相談ができるのはもちろん、転職サイトで検索しても出てこない非公開求人を紹介してもらうことができます。
もちろん、登録したからといって必ず転職しなければならないというわけではないので、気軽に利用してみてください。
■公式サイト:「リクルートエージェント」
今はどの企業でも人手不足となっている売り手市場なので、好条件で転職できる可能性が高いです。
2020年になって、AIに代替されてしまうような人材として転職活動をするのでは遅いので、売り手市場の今、自分の能力を高めるために積極的に行動に移していきましょう。