「孤独」が人を成長させる!「一流の孤独」をまとう人の3つの特徴!

「孤独」が人を成長させる!「一流の孤独」をまとう人の3つの特徴!




 こんにちは。ライターの吉田まさきです。

 今回ご紹介するのは、中谷彰宏さんの『孤独が人生を豊かにする』(あさ出版)です。

 読者の皆さんは、「孤独」に対してどんなイメージを持っていますか? メディアでよく耳にする「孤独死」のようなネガティブワードを連想して、できれば自分とは無縁であってほしいと願う人が多いのではないでしょうか。

 しかし著者の中谷さんは、本書の中で「孤独」につきまとう負のイメージを払拭しています。「孤独」が人を成長させ、新たな出会いも創出するという、これまでの私たちの思い込みとは真逆の視点をお持ちなのです。

 本書は、私たちの人生を豊かにするために、「孤独」と上手に付き合っていく方法を教えてくれます。

 中谷さんの著作は、やさしい筆致で難しい概念を分かりやすく説いているものが多く、本書も例に漏れず大変読みやすい一冊です。ビジネスパーソンはもちろん、学校生活や受験勉強に悩む学生の方にもおすすめできます。

 若いうちから「孤独」との付き合い方を体得していれば、社会人になってからも必ず役立つことでしょう。

 それでは、豊かで贅沢な「孤独」の時間を一緒に楽しみましょう。

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孤独は「一流」と「二流」に分けられる

 本書の冒頭で、中谷さんは、孤独は「一流」と「二流」に分けられると述べています。

 「一流の孤独はプラスになり、二流の孤独はマイナスになる」というのが、両者の大きな違いです。言い換えれば、自己成長を伴う孤独かどうか。

 そして、その判断基準はあくまでも自分自身にあるといいます。孤独感が強くて、寂しさのあまり何も手につかなくなるような状態は、二流の孤独です。

 もし今孤独を感じていて、それが二流の孤独だと自覚しているなら、二流を一流に変える方法を学びましょう。

 本書は一流と二流を対比させるかたちで、一流の孤独をまとい、人生を豊かにするための61の方法を紹介しています。

 ここでは読者の皆さまが気になるであろう3つのトピック(①人間関係、②仕事面、③プライベート面)に絞って、一流の孤独をまとう人の特徴について書いていきたいと思います。



1.「人間関係」における一流の孤独

 1つ目のトピックは「人間関係」です。寂しがり屋で大勢が好きという方は特に、仲間から離れて1人で行動しようとしても、周囲の目が気になってしまうのではないでしょうか。「あいつは裏切り者だ」とか「ヘンなことをしている」と悪口を言われることを恐れてしまうかもしれません。

 しかしそれは当然のことだと中谷さんはいいます。

 成長するということは、今のグループを抜け出すことだ。成長するほど、まわりからは理解されなくなる(P.30)

 例えば、これまで周りの友人に流されてろくに受験勉強してこなかった学生が、一念発起して1人黙々と受験勉強に精を出すケースを考えてみましょう。

 おそらく友人から「勉強なんか後にして街で遊ぼうぜ」などと誘われると思います。このときに、友人と別れて成長をとるか、成長を捨てて友人をとるかの二者択一に直面します。一流の孤独を伴う人は、迷わず成長を選択します。「成長には必ず孤独が伴う」と中谷さんも強調しています。

 また、友人と別れる際に悪口や嫌がらせを受けたときは、「その人に時間を割く必要はないので、ムダな時間を使わずに自分の時間がつくれる」と前向きに捉えることを勧めています。

2.「仕事面」における一流の孤独

 2つ目の「仕事面」は、とくに重視されているトピックです。

 これで語られているのは、目の前の仕事に没頭することで、本物の出会いを見つけられるということです。寂しさのあまり、出会いを目的に色々と手を出すのは二流のやり方で、一流は一生懸命何かに打ち込むプロセス・場所で本物の出会いを手に入れます。

 本書には、「プロセスを共有しよう」というキーフレーズが書かれています。一緒に仕事をしたり、何かに向かって志を持つというプロセスを共有することで、自己成長という目標に効率良く近づけるのです。一方、二流の孤独は「結果」を共有したがります。

 結果自体は個々人が受け止めればいいことで、あくまでも結果につながるまでのプロセスを充実させることが大切なのです。

3.「プライベート面」における一流の孤独

 最後は「プライベート面」です。普段から大勢で休日を楽しむ方にとって、1人でプライベートを楽しむ姿はイメージしづらいかもしれません。

 中谷さんは一貫して、プライベートの時間も自己投資に使うべきだと主張されています。もちろん、オフの日も常にストイックに自己研鑽に励めという意味ではありません。「社交もできる孤独が、一流の孤独」と書いているように、たまには仲間との時間を楽しむようにすればよいのです。

 ただ、「本当に社交的な人は、年がら年中、人と一緒に何かをしているのではなく、1人の時間も、きちんと持っている」という点は押さえておくべきでしょう。

 中谷さんがおすすめしているプライベートの過ごし方・態度として3つご紹介します。

①「1人になって、本を読もう」(P.179)

 何らかの情報収集をしようと思ったとき、情報の速報性や量はインターネットに分があるかもしれません。しかし信憑性の高いまとまった情報を得たいときは、本に勝るものはないと思っています。

 本は時間がないと読むのが難しいですが、自発的に1人になって自分の時間を作ってでも、本を読むべきだと本書では説かれています。

②「遠くに、行こう」(P.125)

 特に印象に残るワンフレーズがこの項目にありまして、それが「一流の孤独の思いは『遠くへ行きたい』」(P.125)です。

 自分の行動半径を無限に広げて、全く未知の人・物に出会いたいという放浪願望を叶えることの大切さ。私自身、これまで言葉にはできなかった、どこかに飛び立ちたい思いをずっと抱えていました。

 その思いがようやく何なのか分かった気がします。旅人は孤独ですが、決して1人ではないのです。

③「礼儀正しくしよう」(P.57)

 先に一流と二流の違いを書きましたが、もう1つ大きな違いがあります。一流の孤独は、独りぼっちでも礼儀正しくいられるのです。「どうせ自分は一人だから」と傍若無人にふるまうのは二流のすること。

 「1人でいい」ということとマナーのあるなしは、関係のない話です。(P.56)

 旅先などでの新しい出会いを自分の肥やしにできるかどうかは、まず人としてのマナーや礼儀を重んじるところから始まるのです。

 一流の孤独への道は険しいかもしれません。本書に書かれている61の方法を、すぐに全て実践できる方はほとんどいないと思います。

 しかし、本書によって孤独の理想像は示されました。本来、孤独に良し悪しなどなく、孤独の時間をいかに有意義に過ごすかが問題だったのです。本書を一読することで、読者の皆さまの孤独な時間が充実することを願っています。

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吉田まさき
石川県金沢市在住。地元企業で営業マンとして働く傍ら、週末はフリーライターとしても活動しています。

キャッチフレーズは『走る本の虫』。読書好きで活字に埋もれる日々ですが、社会人になってからはマラソンも趣味にしています。地元の金沢マラソンは勿論、全国各地の大会に出没しています。

今後の目標は、「読む・書く・走る」の三点倒立を継続しながら、いずれ紙の書籍を出版することです。出版した本を枕代わりに敷いて寝たい変人チックな私ですが、皆さまどうぞよろしくお願いします!




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