博報堂の打ち合わせは、なぜ「雑談」が5割も占めるのか?

博報堂の打ち合わせは、なぜ「雑談」が5割も占めるのか?

博報堂の打ち合わせは「雑談」が5割!

 大手広告代理店の博報堂では、打ち合わせの半分が雑談で占められているといいます。

 「雑談こそが打ち合わせの成否を分ける」というほど重きを置いていて、そんな打ち合わせへのこだわりが、博報堂の企業広告のコピー「会議に無駄口を。打ち合わせに悪口を。」に込められています。

 なぜ、博報堂では雑談がそこまで重視されるのでしょうか。その理由と、雑談の有効性について教えてくれるのが『博報堂のすごい打ち合わせ』です。

 雑談を重視する理由を端的に言うと、博報堂では「アイデアは、人ではなく会話に宿る」と考えられているからです。

 博報堂の社員は、「自分が考えたアイデアは、想定内のアイデアである。自分の頭の中からすぐに引き出せる考えが、想定外のはずがない」という前提で、打ち合わせに臨んでいるといいます。

 博報堂に限らず、広告会社の打ち合わせは雑談が多いと思いますが、全社的にその文化が浸透していて、誰もが共通認識を持って雑談ベースの打ち合わせに臨むというのは珍しいでしょう。

 実際、私が新卒で入社した広告会社でも、打ち合わせは雑談から始まることが多かったですが、それはプロジェクトリーダー次第で、全社的に徹底されていたわけではありませんでした。(今思えば、優秀な先輩ほど雑談を重視した打ち合わせをしていたように思います。新入社員だった私は、その意図が理解できず、こんな無駄話してないでさっさと本題に入ろうよ…といつも思っていたのですが)

 著者も、新入社員や中途社員が、初めて博報堂の打ち合わせに参加すると、「雑談ばかりしてないで本題に入りましょう」と言い出す人が少なくないと言います。

 なぜ雑談が重要なのか。そしてどのような雑談をすれば「よいアイデア」を生み出せるのか。そのノウハウについて、打ち合わせの「しくみ」から解説してくれるのが本書というわけです。

 ここでは、博報堂の打ち合わせの「しくみ」について簡単にまとめてみます。

目次

  1. 博報堂の打ち合わせの「しくみ」とは?
  2. 打ち合わせの成否は「拡散」で決まる
  3. 打ち合わせはあえて”曖昧”に終わらせる



博報堂の打ち合わせの「しくみ」とは?

 博報堂の打ち合わせには「しくみ」があり、それは「共有」「拡散」「収束」「統一」という4つのプロセスで構成されているといいます。

 それぞれの内容は下記の通り。

  1. 「共有」…目的やゴール、進め方など、打ち合わせの前提となる情報を参加メンバー内で共有する
  2. 「拡散」…参加メンバーが事前に準備した案を基に、議論を行う。あらゆる可能性を検証し、アイデアをすべて出し尽くす。
  3. 「収束」…散らばっているアイデアを紐解きながら、課題に沿って取捨選択し、いくつかの方向性(関連性があるまとまり)に整理していく
  4. 「統一」…整理し、方向付けしたアイデアの中から結論を出して、メンバーの意思統一を図る

 打ち合わせ中に「今どのプロセスにいる」という確認がなされるわけではないそうですが、参加メンバーは各自で打ち合わせの流れを読み取り、どのプロセスにいるのかを把握した上で、会話を行っているといいます。

 そしてこのプロセスの中で、もっとも重視しているのが「拡散」です。

打ち合わせの成否は「拡散」で決まる

 拡散とは「課題に関するアイデアとして、あらゆる可能性を洗い出す作業」のこと。

 博報堂の社員たちは、「よいアイデア」というのは、誰か1人の天才的なひらめきによって生まれるモノではなく、「議論の拡散の後に、結果的についてくるもの」という考えを持っています。

 そして最終的に導き出される結論のクオリティと、拡散の度合いは比例するといいます。つまり議論が拡散すればするほど、結論のクオリティも高まっていくということです。

 アイデアが十分に拡散しないまま、次の「収束」のプロセスに入ってしまうと、常識の範囲内におさまった結論や、予定調和のアイデアになる可能性が高くなります。

 アイデアを100個考えろと言われたときに、しっかり100個考えられる人と、10数個で止まってしまう人との違いは、発想力というよりも、思考を拡散させる習慣があるかどうかだと著者は言います。

 アイデア出しの打ち合わせにおいて、もっとも重要なのはアイデアをできるだけ拡散させること。そのために重要なのが「雑談」なのです。

 効果的な雑談は、拡散を加速させてくれます。

雑談で本題の「周辺」を探る

 ここでいう雑談とは、もちろん「本題とまったく関係ない話」という意味ではありません。「テーマ(目的、議題、課題)そのものを掘り下げる」のではなく、「テーマの周辺を探ること」を目的にした雑談です。

 はじめからテーマそのものを掘り下げようとすると、どうしても発想が狭くなってしまいます。一見遠回りに見えても、雑談によって、その打ち合わせで扱える内容の範囲を広げ、じっくりとテーマの周辺を洗い出すことが大切だと言います。

 博報堂の社員たちは、「全然関係ないんだけど…」「よくわからないんだけど…」「ふと、思いついたんだけど…」といった言葉が口ぐせで、この切り出しによって雑談を始め、議論を拡散させていくそうです。

 そのときに重要なのが、「混沌を恐れない」こと。あえて「脱線」して横道に逸れたりしながら、じっくりと思考を広げていくことが大切なのです。



打ち合わせはあえて”曖昧”に終わらせる

 「拡散」のプロセスであらゆる角度からアイデアを検討した後は、「収束」のプロセスに入ります。

 散らばっているアイデアを取捨選択して、いくつかの方向性(関連性があるまとまり)に整理していく作業です。

 拡散で盛り上がらないアイデアは、収束でも盛り上がりません。そのため拡散のプロセスは、「盛り上がる材料を探す時間」とも言えます。

 打ち合わせの収束のさせ方で興味深いのが、「安易にまとめない」という点です。「何が決まって、何が決まらなかったのか」をあえて曖昧にしたまま終わらせることがよくあるらしいのです。

 「打ち合わせをしたら、そのたびに何か結論を出さなければいけない」「結論の出ない打ち合わせは無駄」と考えがちですが、私たちは結論を無理に出そうとしません。「じゃ、そういうことで」と言って、「そういうこと」がどういうことなのかわからないまま、いったん打ち合わせを終わらせ、次回に持ち越すことがよくあります。

 その場でムリに答えを出そうとせず、一度「寝かす」ことを選択する場合もあるということです。

 それは、次の打ち合わせまで内容を寝かせておくと、無意識のうちに、テーマに関連するインプットが頭の中で整理され、新たなアイデアがひらめいたり、ブレイクスルーのきっかけが見つかったりすることがあるからです。

 一度アイデアを放り出したり、忘れたり、寝かせたり、ほったらかしにすることによって、アイデアを客観的に見ることができます。

 もちろん打ち合わせの目的によっては、その場で結論を出すことが重要である場合もあるでしょう。

 しかしアイデア出しの打ち合わせにおいては、その場で答えを出すことが最善ではないという認識を持つことも必要なのです。

 広告、マーケティング、プロモーション、新商品開発など、アイデアがプロジェクトの成否を決めるような打ち合わせの際は、できるだけ予定調和にならないよう、雑談によって議論を拡散させることを重視してみてはいかがでしょうか。

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