『インバウンドマーケティング』の要点まとめ!4つのステップの方法論とは?

『インバウンドマーケティング』の要点まとめ!4つのステップの方法論とは?






今の時代に効果的なマーケティングって?

 最近よく耳にする「インバウンドマーケティング」という言葉をご存知ですか?

 「インバウンド」とは「向こうからこっちへ入ってくる」というイメージの語。つまり見込み客が「向こうから興味をもって寄ってきてくれる」ようなマーケティングをしようというものです。

 これまでのマーケティングでは思うような成果が得られずに頭を悩ませていた企業経営者やマーケターはもちろん、十分な広告費をかけられないフリーランスや個人事業主にとっても必修科目と言えるでしょう。

 今回は、日本初のインバウンドマーケティングエージェンシーを設立し、米国HubSpot社のアワードの国際部門で5冠という快挙を達成した高広伯彦氏の著書、『インバウンドマーケティング』から、「インバウンドマーケティングとはどういうものか?」「なぜ今注目されているのか?」という概論部分について紹介します。

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これまでのマーケティングは通用しない?

 なぜ今「インバウンドマーケティング」が注目されているのでしょうか。

 これまでのマーケティングは、基本的に「たくさん人が集まる場所へ出て行って広告メッセージを発信する」という、「アウトバウンド」な発想で行われてきました。

 しかし、情報流通量が爆発的に増え、興味のない情報は無意識にスルーされてしまう今の世の中。相手が求めていない情報を、企業側が意図したタイミングで一方的に送りつけてみても、ほとんどのユーザーは見向きもしてくれません。

 それぞれのメディアにおいて「コンテンツ」を楽しんでいる人々にとっては、広告など、トイレタイムの対象でしかありません。できればスルーしたいものであり、コンテンツ消費にとって邪魔ものだったのです。

 例えばスマホでアプリやウェブサイトをチェックしている際、急に広告が表示されたらほとんどの人は煩わしく感じるのではないでしょうか。

 このような「アウトバウンド」な手法では、効果的に消費者の興味を惹いたり、購買行動を喚起することが難しくなっているのです。

 この点は、何も今になって騒がれ始めたことではありませんが、本質的な解決策が講じられてきたとは言えません。

 そこで注目されているのが、「インバウンドマーケティング」というコンセプトです。

 すなわち、向こうから興味を持ってアクセスしてきてくれるような仕組みをつくり、継続的なコミュニケーションを通して無理なくコンバージョンに結びつけていくという考え方です。

インバウンドマーケティングとは?

 向こうから興味を持って寄って来てもらうには、見込み客にとって「読む価値のある」「役に立つ」コンテンツをネット上に用意して、それを「見つけてもらえる」よう動線設計することが基本となります。

 そこで意識すべきは、”適切なタイミングに適切なメッセージを(The right message at right time)”という視点です。

 人々をコントロールしようとするのではなく、人々のコントロールする情報取得タイミングに合わせよう。企業側のスケジュールではなく、人々のスケジュールに合わせたマーケティングをしよう。

 例えば、フリーランスのWebデザイナーがHP制作の仕事を受注したい場合、「コンバージョン率の高いECサイト制作請け負います!」と広告を出したり、DMを送ったところで、多くの場合無視されてしまうでしょう。

 しかし、ECサイトの売上低迷に悩む企業のWeb担当者が、「ECサイト 売上アップ」のようなキーワードで検索したときに、「ECサイトの売上を大幅アップさせるWebデザインのポイント」のようなコンテンツが用意されていれば、かなりの確率で興味を持ってもらえるはずです。

 さらにその内容が「読む価値のある」「役に立つ」ものであれば、継続的にサイトへ訪れてくれるかもしれませんし、「これだけノウハウを持っているデザイナーならぜひ仕事をお願いしたい」と思ってもらえるかもしれません。

 強引に目の前にメッセージを露出させる「アウトバウンド」なやり方とは違い、相手が興味を持ってくれたタイミングで「見つけられた」コンテンツなので、オープンに話を受け入れてもらいやすく、コンバージョンに至りやすいのです。



インバウンドマーケティングの方法論

 では、具体的にはどのようにインバウンドマーケティングを実践すればよいのでしょうか。

 本書では、”Inbound Marketing Methodology”として、「Attract」→「Convert」→「Close」→「Delight」の4つのステージが示されています。

 以下、簡単に紹介します。

Attract:来訪者を惹き付ける

 第1ステージでは、見込み客にとって「読む価値のある」「役に立つ」コンテンツで、サイト来訪を惹き付ける施策を打ちます。

 ここでは、ブログ、ソーシャルメディア、キーワード、ウェブサイトといったツールを包括的に活用して、何か悩みを持っている見込み客から「見つけてもらう」ことを目指します。

 例えば検索キーワードの選定においては、本書では以下の2つの視点に基づくべきだと説かれています。

  1. 会社や商品・サービスに関連したキーワード
  2. 見込み客・顧客の課題・興味関心に応じたキーワード

 直接的に自社の商品やサービスに関連したキーワードだけではなく、「見込み客が悩み解決のために検索しうるキーワード」まで想定することで、「見つけられる」可能性を高めることがポイントです。

Convert:見込み客への転換

 第2ステージでは、サイトに来訪してくれたユーザーのメールアドレスやプロフィール情報を獲得して、「見込み客」への転換を目指します。

 インバウンドマーケティングでは必ずといっていいほど「ランディングページ」を準備し、そこでダウンロード可能なコンテンツ(PDFなど)や無料30分コンサルティングの権利といったものが提供されます。これらを提供する代わりに個人のプロフィール情報を入手することで、のちの(中略)見込み客管理につながることになります。

 つまり「見込み客」とは、サイト上に用意した無料PDFなど引き換えに、メールアドレスやプロフィール情報の登録を行ってくれた、「継続的に連絡ができるユーザー」を指します。

 当然、用意するコンテンツはメールアドレスを登録してでも欲しいと思ってもらえるものでなければなりません。

 また、「情報探索をしているステージによって”役に立つコンテンツ”が変わって」くるため、相手のニーズに合わせて複数のダウンロードコンテンツを用意しておく方がよいとされています。

 さらに、ランディングページは、すぐに資料請求やショッピングカートへ誘導するものではなく、見込み客の情報検索ニーズに答える内容であることがポイントです。

 本書で言われているように、「検索行動は『購買のため』というよりも『日常的な情報収集活動のため』『興味関心を満たすため』」に使われることが多いため、仮に狙い通りのキーワードでランディングページへの来訪を促せたとしても、そのまま購入や資料請求に至る確率はきわめて少ないからです。

 まずは「役に立つ情報」を差し上げることで関係値を築くことが重要です。

 インバウンドマーケティングは、検索しているユーザーを「すぐに買いそうな人」ではなく、あくまでも「情報を探している人」として考えます。それゆえ、「すぐ買える」「すぐ資料請求ができる」というランディングページを作る代わりに、「情報を探している人」それぞれのニーズに応じたコンテンツを提供します。

 こうして集められたプロフィール情報は、「最初からある程度の興味を持った人」なので、単なる名刺情報とは違う、質の高い見込み客リストとなります。

Close:見込み客を顧客化する

 第3ステージでは、「見込み客」と継続的なコミュニケーションを図りながら、購買や請求に結びつけて顧客化を目指します。

 ここでもポイントとなるのは、”適切なタイミングに適切なメッセージを”の視点です。

 「顧客適格性」があるからといって、彼らが今すぐ買う態勢(ready-to-buy)にあるわけではありません。見込み客を顧客に変えるには、彼らとの関係性を保って、企業名や商品・サービス名を念頭においてもらえるようにすること、そして買ってくれそうなタイミングを見逃さないことが重要です。

 「Convert」のステージを経ることによって、どういうプロフィールの人が、どのような情報に興味を持ち、何をダウンロードしたのかといった情報を把握することができます。

 こうした情報をもとに個人の興味関心・課題を推測し、相手にパーソナライズされたメッセージを配信することで、クロージングのスピードと確率を上げることができます。

Delight:顧客をより喜ばせる

 第4ステージでは、顧客となってくれたユーザーに対して、SNSやメールによって継続的にサポートすることで、顧客満足度を高め、「推奨者(Promoter)」になってもらうことを目指します。

 例えばソーシャルメディアは、「既存顧客が自社の商品やサービスに満足しているか、不平不満を言っていないかを把握する」ツールとして使うことができます。

 各ステージでそれぞれ具体的にどのような施策を打つべきかのついては、本書に詳しくまとめられていますので是非チェックしてみて下さい。

まとめ

 営業を経験したことのある方なら分かると思いますが、「会社の決まりだから」とか「上司の命令だから」いう売り手側の論理で、相手が必要としていない商品を、興味を持ってくれそうにないタイミングで無理にセールスをかけることは、精神的にツラいものがあります。

 もし興味を持って向こうからコンタクトしてきてくれた相手とだけコミュニケーションできるとしたら、営業効率は格段にアップするはずです。

 その意味でも、「マーケティング活動全般をいかに押し付けがましくないように行うか」が重視されるインバウンドマーケティングの姿勢は、感覚的にも受け入れやすく、理にかなった手法であると納得できるのではないでしょうか。

 自分が持っている付加価値で役に立てる相手は、どのような悩みを持ち、どのようなキーワードで検索をすると予想されるか、そしてその検索結果にどのようなコンテンツが用意されていれば興味をもってアクセスしてくれるか、プロフィール情報を入力してでも欲しいと思わせることができるか。

 こうしたことを体系的に考えながらマーケティング戦略を練ることは、企業経営者やマーケティング担当者だけでなく、フリーランスや個人事業主が自ら仕事を創っていくために極めて重要なことです。

 是非とも、本書を読んでインバウンドマーケティングを実践してみて下さい。

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※現在はリニューアルして「MOJA in the HOUSE」というお店に変わってます!

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・名前     :まき
・生年月日   :1989.3.20
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