「熱狂顧客」との共創が新たな価値を生む!企業と顧客の新しい関係とは?

「熱狂顧客」との共創が新たな価値を生む!企業と顧客の新しい関係とは?



 「TSUTAYA×美女読書フェア」、6冊目にご紹介するのは『熱狂顧客戦略』

 タイトルの通り、顧客を熱狂させるためのマーケティング戦略や、その熱量を新規顧客に伝播させていくための方法について記された一冊です。

 モノがあふれ、どの製品を選んでもさほど大きなスペックの差を感じなくなった現代において、企業が顧客に「選ばれる」存在になるための戦略には大きな変化が生じています。

 商品を購入してくれた顧客の中には、様々な状態や感情が存在しており、「特に不満がないから買っている」「たまたまお店が近いから買っている」という理由で購入されていることも多くあります。つまり「継続顧客」だからといって、満足して購入しているとは限らないわけです。

 この点に目を向けなければ、ちょっとしたきっかけで簡単に他社へとブランドスイッチされてしまうでしょう。

 そこでキーワードになるのが「熱量」です。消費者にとって、どの企業の商品・サービスを利用するとテンションが上がるのか、ワクワクするのか、ずっと使い続けたい・関わり続けたいと思えるのかというのは、商品を決定する際の重要なポイントとなっています。

 本書では、「その商品に強い愛着を持っている、もしくは他者にもその商品を積極的に勧めてくれる顧客」を「熱狂顧客・熱狂的推奨者」と呼んでいます。
 
 どうすれば、商品・サービスに「満足」するだけでなく、それが自らの生活において特別な存在に感じられるほどの「熱量」を生むことができるのでしょうか。

 企業には、顧客との新しい関係性が求められており、端的にいえば、もっと近い距離感でコミュニケーションを取っていく必要があります。

 本書には、オンラインサロン「美女読書」編集室にも活用できるポイントが多く含まれており、とても興味深く読めたので、そのポイントについてご紹介します!



顧客の「熱量」を高める3つのステップ

 「熱量」をキーワードに顧客体験を考えるとき、多くの人は、企業がターゲット層に刺激を与えて「熱量」を高める施策をイメージするのではないでしょうか。たとえばSNSで(強制的に)クチコミを発生させるために、インフルエンサーに拡散を求めるなど。(まさに「美女読書」がやっている手法です…)

 しかし本書では、一時的な熱狂を生み出す方法ではなく、熱量が高い顧客から低い顧客へとスムーズに伝搬していく環境をどのように作るかということに重点を置いています。

 それは商品・ブランドを愛してくれている人に、もっと好きになってもらうための施策を展開し、顧客が自らの意思で周囲の人へ魅力を伝えたくなるような環境を作るということです。

 そのプロセスについて、本書では3つのステップで解説されています。

  1. 心の中にある「壁」を越える体験を提供する。(心に刺さる瞬間)
  2. 顧客の中に火を灯し続ける。(継続する共感、心の中のポジションを獲得する)
  3. 熱を伝える。(レバレッジをかける)

 以下、それぞれ簡単にご紹介します。

①心の中にある「壁」を越える体験を
提供する

 まずはブランドに対してまだ特別な感情を抱いていない人に、ブランドを好きになってもらったり、特別な存在として認知してもらうことがスタートです。

 心の中にある「壁」を越えてもらうために、本書では、「愛着」「親密」「感動」「学び」という4つの「ハシゴ」をかけるアプローチが紹介されています。

 要は「愛着」や「親密」さを感じたり、「感動」を味わったり、「学び」を得たりする体験を通して、ブランドに特別な感情を抱いてもらおうということです。

1.「愛着」のハシゴ

 人は長く使い続ければ使い続けるほど、商品やブランドに対して愛着を感じやすくなります。短期的な収益よりも、自社商品をできるだけ長く使ってもらえるような仕組みを作るという視点が重要です。

2.「親密」のハシゴ

 消費者にとって、企業は顔の見えない遠い存在と感じやすいもの。だからこそ、社員が企業と顧客の間に立ち、顔の見えるコミュニケーションを図ることが、ブランドへの親密度を高めるためには重要となります。

3.「感動」のハシゴ

 感動的な体験は、顧客の心を揺さぶり、ブランドへの愛を一気に高めてくれます。「感動」とは「期待」を超えたときに生まれるものですから、まずは顧客の期待値がどこにあるのかを見極める必要があります。

 これは「自社の商品が顧客からどのように見られているのか」を知る作業でもあります。そのうえで、顧客の期待を超えた価値を提供できるかどうかが、「感動」のハシゴをかけるカギとなります。

4.「学び」のハシゴ

 「学び」を通してブランド体験を深めていくというアプローチです。たとえば旅行代理店のように、単に目的地に行くことを商品とするのではなく、その場所を軸としたテーマを設定し、学びの「体験」をデザインすることで、顧客の熱量を高めることができます。



②顧客の中に火を灯し続ける

 4つのハシゴによって心の「壁」を超えると、顧客の中に小さな火が灯ります。それを絶やすことなく、火が大きくなるような環境を作っていくのが次のステップです。

 どれだけ感動的な体験をしても、何もしなけばすぐに冷めてしまいます。日々大量の情報にさらされている現代人にとって、特定のブランドのことを自発的に思い出す機会なんてほとんどありません。企業は、常に顧客とつながっている環境を作らなければならず、本書ではこれを「心の中のポジションを獲得する」と表現しています。

 すぐに思いつくのは、SNSのようなオンラインでのコミュニケーションでしょう。しかし著者は、「熱量を伝えるための接点としてオフラインの可能性は非常に大きい」とも述べています。

 これは単に「オンラインとオフラインの両方から情報を発信する」という話ではありません。

  • オフラインで体験したことをオンラインで反芻したり、振り返ったりする仕掛けがあるかどうか。
  • オンラインで集まっていたファン同士が、オフラインの場でもコミュニケーションできるような場づくりになっているかどうか。

 オンラインとオフラインの双方で接点を持ち、緩急を交えたリズムによって顧客の熱量を高めていくことが理想的だといいます。

 ここまで細やかなコミュニケーション戦略を実践できている企業は、まだまだ少ないと思いますが、最近注目を集めている「オンラインサロン」のようなコミュニティでは、こうした動きは当然のように実践されています。

 たとえば堀江貴文さんが運営するオンラインサロン「HIU」では、オンラインでのつながりやコミュニケーションをベースとしつつも、オフラインのイベント企画を頻繁に行っており、しかもそのイベントの様子はコンテンツ化され、オンラインでも共有されています。

 またNewsPicksも、「NewsPicksアカデミア」「NewsPicks Roppongi」など、リアルな接点を持つための仕組みが次々と作られており、オンラインとオフラインを交えたブランド体験を提供する動きが活発化しています。

 「美女読書」編集室では、今のところオンラインのみでのコミュニティとなっていますが、こうした動きにならって、今後は、オフラインでの読書会や勉強会、著者とモデルさんとの対談イベントなどを企画し、オフラインでのつながりも作っていきたいと思っています。(規模は圧倒的に小さいですが笑)

③熱を伝える

 最後は、顧客の熱を周囲に伝え、さらに熱量を高めていくフェーズです。ポイントとなるのは、「熱量の高い顧客」を発見し、マーケティングパートナーとして共に活動するという「価値共創」の視点です。

 消費者のニーズを上回る供給がある現代というのは、「企業は売るべきものを知らず、消費者も買うべきものを知らない」時代であると著者はいいます。こうした時代に、企業だけで考えたり、顧客の意見を聞いたりするだけでは、新たな価値を生み出すことはできません。

 企業と顧客が共に考え、未知の領域にアプローチすることによって、新たなストーリーを作っていくことが重要なのです。

 そうして生まれた製品は、顧客にとっても熱狂の対象なので、顧客から顧客への直接的な推奨や、SNSへの(自然な)投稿へと結びつき、「新規顧客」への影響価値を継続的に発揮していけるようになります。

 以上3つのステップによって流れを作ることで、熱量を高めるループは完成します。

 注意すべきなのは、「すべての人をこのループに取り込む必要はない」ということだと著者は言います。

 自社ブランドにとって本当に大切な顧客を明らかにし、「その人たちがどのような体験を経れば壁を越え、熱量が高まり、自社にとっての資産として、新たな顧客に影響を及ぼすことができるか」を考えることが重要なのです。



「熱狂顧客戦略」を実践していきます

 本書を読んでいて、「熱狂顧客戦略」というのは、オンラインサロンが先駆的な事例を作っていくのではないかと思いました。というのも、著名人が運営するオンラインサロンは特に、企業の担当者よりも圧倒的に「顔」が見えるため、消費者は「親密」さを感じやすく、「共創」に参加しやすいからです。もちろん「学び」のハシゴも同時にかかっています。

 実際、堀江貴文さんの「HIU」や、幻冬舎の箕輪さんが運営する「箕輪編集室」では、熱量の高いメンバーたちが新しいビジネスやコンテンツを自発的に生み出す仕組みができています。それが話題を呼んで「新規顧客」にリーチし、熱量が伝播しながら会員数が増えていっているのです。

 「美女読書」編集室でも、4つの「ハシゴ」を意識しつつ、メンバーの熱量を高められるようなコミュニティを作っていければと思います。今後のサロンの展開にご期待下さい。

モデルプロフィール

  • 名前     :る な 。
  • Twitter   :@miru_____ru

ご協力いただいたお店

  • 店名:nu dish Mousse Deli & Café
  • 住所:東京都中央区銀座4-8-4 三原ビル1F
  • 営業時間:
    【平日】11:30~22:00
    【土日祝】11:30~20:00
  • 定休日:不定休

おまけ


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