小山昇『お金は愛』のオススメポイント【書評】

小山昇『お金は愛』のオススメポイント【書評】




 こんにちは、志織です。私は現在OLをしていますが、将来は好きな時に、好きな場所で、好きなことをして自由に暮らしたいと思っています。

 この夢を叶えるために、将来につながるような賢いお金の使い方をしたいと思い、小山昇氏の『お金は愛――人を育てるお金、ダメにするお金』を手に取ってみました。

 小山氏は、株式会社武蔵野を落ちこぼれ集団から17年連続増収の優良企業に育て、現在では「数字は人格、お金は愛」をモットーに、企業の指導や儲かる会社の仕組みを紹介する活動を行なっています。

 本書は、「生きたお金の使い方」について彼の経験論をもとに書かれた、お金に対する哲学書です。

 社長や管理職など、人を使う立場の方を主な読者としていますが、事業に成功した方たち特有の考え方や行動は、あらゆるビジネスパーソンの成長につながる学びとなるはずです。

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「思い」を「お金」で表現しよう

 本書を通して私がとても共感したのは、社員やその家族の幸せを思い、それを「お金」という形で表現しようとする著者の姿勢です。

 著者は「人」に関心を持ち、その人への感謝や思いを「お金」というツールで目に見える形で表現します。すると相手も行動や様々な形で、その想いに応えようとしてくれるのです。

 言葉だけ聞くと当たり前だと感じるかもしれませんが、これが実践できている人は少ないのではないかと思います。

 この当たり前のことがしっかりとできているからこそ、著者はお金に愛されるのでしょう。本書では社員との関わり方や感謝や思いの伝える際の具体的なお金の使い方についても書かれているため、とても参考になります。

著者の経験から学ぼう

 また著者の経験を追体験できるという点でも、本書は有用です。

 「ああしたら、こうなった」というように著者の経験をベースに語られているために、経営理論をしっかりと学ばれた方からすると説得力に欠けると感じる部分もあるかもしれません。

 しかし事業を成功させるには、理論以上に、リアルな経験とそこから学び取った独自の論理や判断基準が必要になってきます。

 著者が言うように、「世の中に絶対正しいもの」はありません。会社の経営についても同じで、絶対に正しい経営や社員との付き合い方、お金の使い方など存在しません。経験を積み重ねることで、独自の判断基準を身につけていかなければならないのです。

 その意味で、本書を通して著者の経験を学ぶことは、経営者や管理職の方に限らず、あらゆるビジネスパーソンにとって役に立つはずです。



勝つ事を目的に、勝つ工夫をしよう

 私にとって特に参考になりそうだと思ったのは、第3章の「お金が生きる遊び方、死ぬ遊び方」の部分です。

 本書ではギャンブルを例に、「勝つ事を目的に勝つ工夫をすれば、勝率は上がる」と述べられています。私はギャンブルはしませんが、遊びにおいても「目的を持つ」ことや「工夫をする」こと、「結果にこだわる」ことを、もう少し意識したいと思うようになりました。

 そのような日々の習慣が、仕事にも生きてくるのだと思います。

 また同章では、リスク管理の重要性についても述べられており、その大切さを再認識させられました。リスク対策をケチると、取り返しのつかないことになったり、大きな損をしたりすることになるからです。

 たとえば旅行において盗難や事故のリスクを減らすために高級ホテルに泊まったり、大型の車に乗ったりした方が良い、といった情報には納得させられました。

まとめ

 本書は経営者や上司の目線から、お金というツールを使って、社員や部下へ愛情を示していこうとするものです。

 ただ単にお金を使えば良い、という意味ではなくて、社員や家族を幸せにしたい、という思いを持つことが重要であると理解しました。

 そして、経営において人を大切にするということ、著者自身の経営者としての責任感のある姿勢に共感を覚えました。

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志織
30代会社員。一年の半分を海外で過ごす語学マニア(英語・フランス語・ドイツ語・少しアラビア語)。好きなことだけをとことん突き詰めるタイプ。




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