フリーランスの王・株本祐己が教える「年収を一気に上げる方法」

フリーランスの王・株本祐己が教える「年収を一気に上げる方法」




ビジネス系YouTubeチャンネルの走りとして話題となり、現在チャンネル登録者数18.5万人の「年収チャンネル」をご存知でしょうか?

同チャンネルを運営する株式会StockSun社長の株本祐己さん(@StockSun_ceo)さんは、「フリーランスの王」として、フリーランスとクライアントをマッチングさせるサービスを提供しています。

初の著書『稼ぐことから逃げるな』では、「お金をきちんと稼ぐこと」を大前提としてビジネスの実力をつけ、やりたいことを好きなようにできる人生を手に入れる方法が書かれています。

具体的には、20代のうちに年収1000万円を目標に「ビジネス戦闘力」を高め、30代以降は好きな仕事を好きなように選べる自由な人生を手に入れることを目指しています。

お金の話をする人は下品だと思われがちですが、お金持ちは”世の役に立っている”からお金持ちなので、お金を稼ぐことに萎縮する必要はないと株本さんは言います。「稼ぐことから逃げるな」というタイトルの意味は、まさにここにあります。

以前から年収チャンネルの視聴者だった私は、株本さんがどのような人生を送り、どのような考えで起業し、現在のビジネスモデルを立ち上げるに至ったのか興味があり、本書を読んでみました。

YouTubeで語られている点もありますが、体系的にまとめられた知識を得られるため、より理解が深まる一冊となっています。



ビジネス戦闘力を高めよ

なぜ稼ぐことから逃げるべきではないのかというと、これからの時代、ビジネス戦闘力の低い会社員たちは価値を発揮できなくなる(=稼げなくなる)からです。

個人での発信が簡単に行えるようになり、これからますます「個の時代」に移行していく中では、個としての実力=戦闘力を高めることがとても重要になります。

今は移行期間のため、従来型の会社員も一定の価値を発揮できていますが、これからITリテラシーの高い外部の人たちが現場を多く占めるようになった時に一番損をするのが、そうしたビジネス戦闘力の低い会社員たちです。

会社はSNSやHR系のWebサービスを通して、その時々で必要な人材を外部から調達することができるため、わざわざ莫大なリソースをかけて人を採用・育成する必要性が薄まってきているからです。

「わざわざ仕事のできない社員の雇用を維持するよりも、仕事のできる人を外部から雇うほうが遥かにいいじゃないか」と考えるようになった時、彼らの行く末はかなり悲惨なものになると株本さんは指摘します。

そうならないためにも、若いうちから「ビジネス戦闘力」を高めることを意識して就職先を選び、仕事に取り組むことが重要なのです。

ビジネス戦闘力とは?

ビジネス戦闘力とは、簡単にいうと「ヒト・モノ・カネを動かす力」です。ビジネスで稼ぐための人脈やスキル、実績、経験、人間力といった要素をトータルしたものであり、要するに「ビジネスの世界で稼ぐための総合力」のことを指します。

ビジネス戦闘力が高いと、仕事も働き方もお金の使い方も好きなように選べるようになり、自由な人生を手に入れることができます。

具体的には、20代のうちに年収1000万円を目標に「ビジネス戦闘力」を高め、30代以降は好きな仕事を好きなように選べる自由な人生を手に入れることを目指すべきだとしています。

誤解してはいけないのは、年収=ビジネス戦闘力ではなく、あくまでも「自分が動かすことのできる資本の大きさ」を指すということです。自分が動かすことのできる資本が大きいほど、ビジネス戦闘力が高いということになります。

たとえばフリーランスで年収1000万円でも、その人が受託仕事を請け負うだけで、人脈も乏しければ、ビジネス戦闘力はそれほど高くないということになります。動かせる資本が、自分の身ひとつしかないからです。

そうしたビジネス戦闘力の低い人が、同じ年収1000万円でありながら部下を大勢抱えていたり、会社を経営して役員報酬で1000万円を得ているような”ビジネス戦闘力の高い人”と対面した場合、多くは覇気だけで負けてしまうでしょう。(p.87)

ビジネス戦闘力を高めるには、「いかに自分が動かせる資本を大きくするか」という視点で考えることが大切ということです。

ビジネス戦闘力を一定以上に高めることができれば、何があっても仕事にあぶれることなく、一生稼ぎ続けられると株本さんは言います。

そのため、若いうちにビジネス戦闘力を上げられるかどうかが、会社を選ぶ際の一番の判断基準となります。

ビジネス戦闘力を高める方法とは?

従業員が100人未満のベンチャー企業に就職する

20代でビジネス戦闘力を大きく上げる方法として、株本さんが勧めるのは「従業員が100人未満のベンチャー企業に就職すること」です。特にウェブマーケティング系のベンチャー企業を、ビジネス戦闘力が上がる会社として挙げています。

ビジネス戦闘力を高められるのは、

  • 会社規模が小さく、
  • 20代のうちから裁量権が与えられ、
  • 実務を通してスキルと人脈を積み上げられる会社

であり、ウェブマーケティング系の会社はそれらの条件を満たしているからです。

大手だと20代は下積み仕事をやらされることが多いのに対し、人材が限られるベンチャーでは、若手であっても前線に立って実務を担うことが多く、ビジネスをゼロから一気通貫で学べる機会が得やすくなっています。

そこに本気で取り組めば、いやでもスキルや人脈はついてきます。ベンチャーは「ビジネス戦闘力を上げざるをえない環境」なのです。

また中小企業間の取引には、経営者が直接登場するケースが少なくなく、ベンチャーでの業務を通して、経営者の人脈を大きく広げることができるというメリットもあります。大手企業にいて、20代で経営者の人脈を増やすことはなかなか難しいでしょう。

もちろん他にも選択肢はありますが、ビジネス戦闘力を上げるうえでアツい環境は、「法人営業をしながら、ウェブマーケティングに関する実務にも携われる会社」というのが株元さんの考えです。

100人と会い、ビジネスモデルを理解する

ベンチャーに進んだ後は、「営業でとにかくたくさんのお客さまに会う」ことを実践しましょう。

目安は100人以上で、なるべく決裁権を持っている(あるいは決済権者に近い)「偉い人」に会うことを目指します。

平社員100人に会ってもほとんど意味がありませんが、ビジネス戦闘力が高い100人に会い、名刺交換だけでなくFacebookで友達になれば、そのうちあらゆるビジネスを、自分の人脈を介して展開できるようになるからです。

また営業で人に会う際は、必ずお客さまの「ビジネスモデル」を理解するように心がけましょう。この会社はどれくらいの売上規模で、顧客単価がいくらで、それを何人に売っているから売上はいくらある。それに対して支出がこれくらいあるので粗利はいくらになる──というように、粗利(売上ー原価)を把握するところまでシュミレートするのです。

どのような形で売上と収益が立っているかを、仮説でもいいので考え続けると、どんなお客さまとも商談できちんと話ができるようになります。

ビジネスモデルを理解した上で、お客さまの利益を伸ばせるようになること、つまり「他人を潤わせること」が極めて重要です。それができるようになったら、永続的に稼げるようになります。

収入を一気に上げるフリーランスの道

やりたいことを好きなようにできる人生を目指した場合、選択肢の1つとして挙がるのが、フリーランスになる道です。

会社組織の場合、優秀な人が他の優秀ではない社員の給料分も稼ぐことになるため、優秀な人ほど、独立した方が収入が増えると株本さんは言います。

といっても「会社員よりフリーランスのほうが簡単に稼げる」とか「今すぐ会社を辞めてフリーランスになろう」と言っているわけではありません。

あくまでフリーランスは、ベンチャー企業などで頑張り続けて「ビジネス戦闘力」を大きく上げた末の選択肢の1つとして登場するものだと言います。

株本さんの提案するフリーランスへの道は以下の通り。

  1. ベンチャー企業などで働き続けて「ビジネス戦闘力」を高める。
  2. 社外の人から「うちにこない?」と声がかかるようになったタイミングで、独立を検討する。
  3. 声がかかった会社の社員になるのではなく、案件を受託する業務委託の形で仕事をすることを提案する。
  4. 提案する際は、クライアントのビジネスモデルを把握した上で、そこに自分の人件費(たとえば30万円)を乗せてもらう提案をする。その代わりに、30万円以上のコストカットを実現することを約束する。1000万円のコストが自分への業務委託で1030万円になる代わりに、「この部分のコストを●●万円分下げます」「このうようにして売上を●●円上げます」のように。
  5. 仕事を確保できる見込みが立ったら、独立する。

多くの会社が社員を雇わなくなる時代になっている今、業務委託という形態は、企業側にも雇われる側にもメリットがあります。企業側からすると、必要な時に人員を抱えられ、必要がなくなったらいつでも切ることができるからです。雇われる側も複数の案件を掛け持ちすることができます。

このような順序であれば、独立後に仕事がなくて困るというリスクを大きく下げることができます。

と言っても、独立直後にもらえた仕事がそのまま続くとは限りません。その意味で、フリーランスは収入がゼロになるリスクがあります。

本書では、「フリーランスが無収入になる可能性を極限まで下げる方法」として、「外注すること」を挙げています。

たとえば、自分がやっている仕事が30万円の案件1つだけだったら、30万円はまるまる自分が貰えるものの、「いつか仕事がなくなってしまうのではないか」という不安に常に駆られます。しかし30万円で受けた案件を8割=24万円で人に紹介すれば、自分は2割=6万円しか稼げない代わりに、忙しくはなりません。したがって、他にも同じようなことをいくつも行うことができます。これを5件行えば、収入は当初と同じく30万円になります。

そして同じ30万円でも、前者と後者では、安定度が全く異なります。案件が1つだとその仕事がなくなったら瞬間に収入がゼロになるのに対し、案件を5つ回している場合は1つなくなっても、まだ4件=24万円の仕事が残るからです。

加えて、人に紹介するだけであれば、それほどの作業量にはならないので、5件といわず20件も30件もできる可能性があります。30件もやれば安定度は相当に高まる上、自分が受け取る収入自体も180万円まで大きく伸びます。

つまり、目先の収入にとらわれるのではなく、自分の利益率を下げて他人を巻き込むことで、収入の安定性を大きく高め、なおかつ収入自体をグンとふくらませられるということです。

もちろん自分に発注が来ている以上、仕事を維持するためには品質を担保する必要はありますが、それでも自ら手を動かすよりも作業量は遥かに小さくて済むでしょう。

フリーランスは、自分のリソースを切り売りして働く限り、収入の不安からは一生逃げられません。反対に、さまざまな人を巻き込んで仕事を発注する=「発注力」を高めることで、収入は安定し、伸びていきます。

フリーランスとして生きていきたい人にとって、非常に現実的かつ実践的なアドバイスなのでぜひ参考にしてください。

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まとめ

スキルと経験と人脈を身につけ、得意分野もできた状態で30歳を迎えれば、以降は好きな仕事を、好きなようにできるようになると株本さんは言います。

私自身、フリーランスでWebメディア運営やWebマーケターをやりながら、複数の企業から業務委託でマーケティングや制作の業務をいただく働き方をしています。

年収は株本さんとは比べ物にならないほど低いですが、好きな仕事をしながら、好きなときに遊んだり旅行に行ったりできる今の生活は、会社員の生活よりも自分の肌に合っていると感じます。

収入に不安があったとしても、もう会社員に戻ることはないでしょうが、本書を読んで、もう少し「稼ぐ」ことにこだわって収入アップを目指してみたいと思いました。

本書では、「とりあえず会社を辞めて独立しよう」といった無謀でリスクの大きい方法ではなく、堅実にビジネス戦闘力を高めて、収入を上げる現実的な方法が書かれています。

本書に書かれていることを実践すれば、誰でもフリーランスとしての自由な働き方と会社員以上の高収入を手に入れられるようになるできるでしょう。

多くの会社が社員を雇わなくなり、「個の時代」となっていくこの先、ビジネス戦闘力を高めて収入を増やし、自由な働き方を手にしたい人は、ぜひ参考にしてください。

YouTubeの「年収チャンネル」の動画も勉強になるものが多いのでおすすめです。




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