仕事がデキる人は、仕事が速い人!
「仕事が遅い人」の原因は、大きく2つに分けられます。一つは、仕事一つ一つの処理スピードが遅いこと。例えばメールを打つのが遅い、資料を作るのが遅い、会議や打ち合わせでダラダラとムダ話を続けてしまうなどです。
もう一つは、仕事に着手するのが遅いこと。締め切りぎりぎりまで手をつけない、段取りが甘く必要業務を見落としていたなどです。
この両方を改善して、仕事のスピードを驚異的に高める方法を教えてくれるのが本書、『速さは全てを解決する『ゼロ秒思考』の仕事術』。
本書は元マッキンゼー社員である赤羽雄二さんの新刊で、2013年に発売され7万部のヒット作となった『ゼロ秒思考』の続編です。
仕事の速さが上がれば、頭がよりよく動くようになり、仕事の質が高まり、やる気が出てきて、実力を出せるようになると説く著者。
今回は、本書で紹介されている「仕事のスピードを高めるための8つの原則」の内、特に重要と感じた5つについて紹介します。
仕事を速くするための5つの原則
ここで紹介する5つはどれも独立して存在するものではなく、他の原則と相まって効果を発揮するものです。思わず気を抜いてしまいがちなポイントでもあるので、新入社員の時から意識的に実践して習慣化しておくとよいでしょう。
1.まず全体像を描く
仕事ができない人の特徴は、仕事の全体像を描かないまま、打ち合わせや資料作成のような「仕事をした気になれる作業」に邁進してしまうというものがあります。
仕事とは”自分以外の誰か”に価値を与える営みであって、営利企業の場合は特に、それらを通して「対価を得る」という成果に結びつかなければなりません。
自分のしている仕事がどのように成果に結びつくのかを理解するには、何よりもその仕事の全体像を把握することが不可欠なのです。
全体像とは、最終成果が何で、それを出すためにどういう要素があってどういうステップと段取りを踏んで成果につなげられるのか、どこから手をつけると最も効果的なのか、そういったこと全てを言う。
2.丁寧にやり過ぎない
仕事のスピードを上げるには、丁寧にやり「過ぎない」ことも重要です。仕事には「本当に大事な核心部分」もあれば、「こだわったからといって必ずしも成果に影響を与えない部分」もあります。
丁寧にやることそのものを目的にするのではなく、あくまでも結果を出すことを目的として、そのために必要な丁寧さを考える視点を持つことが重要だと著者は説きます。
得てして仕事のできない人は、「こだわったからといって必ずしも成果に影響を与えない部分」ばかり丁寧にやってしまい、「本当に大事な核心部分」にかける時間がなくなって仕事全体の質が落ちるということになりがちです。
こうした見極めは、1.で「全体像」を描いているからこそできることです。全体像を把握すれば、時間をかけて丁寧にやるべき部分とそうでない部分を判断できるようになります。
丁寧さこそ命、と考えてきた人は、その仕事の「成功の定義=うまくできたと言える条件」を整理し、仕事をやり遂げる全体像をまず考えるべきだ。
3.仕事のツボを押さえる
ツボを押さえるとは、「仕事を成功させるうえで最も重要なポイントを把握し、無駄を省いて効果的に進めること」と説かれています。
どうすればツボがわかるかと言うと、「その仕事が成功した、うまくいった」という状況を想像して「仕事の成功イメージ」を明確に持つことです。
「成功イメージ」がわかれば、それを実現するために必要なものをシミュレーションすることで、優先順位を明らかにすることができるからです。
4.前倒しする
仕事のスピードを上げるには、「fast」であるだけでなく「early」であることも重要だという著者。そのため「できることは全部前倒しする」ことを勧めています。
「全部前倒し」というのは、先のことでもできることはなるべく全部早めにやっておくということです。
いつも「ぎりぎり」で締め切りに追われながらやる仕事では、精神的に余裕が持てないため疲れやすく、ミスも多くなりがちです。とはいえ、わかっていてもなかなか改善できないのが実状でしょう。
そんな時は、「無駄な仕事、不要不急の仕事」を切ったり、「他の人に頼める仕事」はお任せしたりして、「自分でなければできない仕事に集中して、それだけをまず片付ける」ことを勧めています。これも仕事の「全体像」を描いているからこそできることです。
やることがたくさんあり過ぎると前倒しする余裕もなくなりますが、優先順位を決めて集中的に片付けていけば、少しずつ余裕が出てきて好循環が生まれていきます。
今日できることは全部やっておく。緊急でないものでも今日できることはやっておく。長時間労働の勧めではなく、自分として許容できる限られた時間内での姿勢のことだ。
5.一歩先んじる
「前倒し」と似ていますが、「一歩先んじる」は他者とのやりとりにおいて後手に回らないよう周到に準備しておくというニュアンスがあります。
一歩先んじるという意味は、「進むべき方向を人より先に考えておく」「調べる情報を先に調べておく」「こちらから先に会議を設定する」などだ。誰かが何かに気づいてアクションを取る前に、いつもなぜか先に動いていると思われるようになることだ。
例えば交渉や打ち合わせの際に、「とりあえず会って話を聞いてみよう」としか考えていない人と、「自社のメリットと先方のメリットをあらかじめ整理した上で、理想的な着地点や最低限の落とし所について事前に想定している」人とでは、会話における主導権の握り方に明確に差が出ます。
前者の場合、相手からの質問や提案に対してその場で考え、判断しなければならないため、曖昧な返事しかできなかったり、うっかり安請け合いをしてしまい後から後悔するなど、トラブルが起きやすくなります。
仕事において後手に回ることは、うまみのない条件を受けてしまうリスクが高まるのです。そのため、「人より一歩先んじる」ことは精神衛生上も極めてよい影響を与えてくれます。
まとめ
本書では、仕事のスピードを高める方法について、「仕事の全体像におけるポイント」だけでなく、「効率的な情報収集法」や「書類・資料作成」「単語登録によるメールの効率化」など、実際の作業スピードを高めるための具体的なテクニックもまとめられています。
仕事の基礎を身につけたい新入社員の方たちはもちろん、たくさんの仕事を抱えて仕事の質とスピードが高められていないと感じているすべてのビジネスパーソンに読んで欲しい一冊です。
モデルプロフィール
・名前 :よつば
・生年月日 :9.17
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・職業 :会社員
・興味ある仕事:Ingressを使った仕事
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