こんにちは。ゲンゴローです。
今回は『何があっても必ず結果を出す! 防衛大式最強の仕事』を読みました。
本書は、防衛大学校(以下、防衛大)という「何があっても結果を出す」ことを求められる組織には、どんな考え方や行動ノウハウがあるのか、そしてそれを一般企業の仕事にも応用するとどんな効用があるのかを教えてくれる一冊です。
著者の濱潟好古さんは、防衛大を卒業後、IT系ベンチャー企業に営業職として入社し、防衛大時代に学んだ経験をもとに「最強の仕事術」を構築されました。
その結果、入社2〜5年で売り上げNo1の営業マンとなり、営業部長に就任後は、すべての営業マンに目標を達成させたほどの凄腕の持ち主です。
防衛大ってどんなところ?
みなさんは「防衛大」にどのようなイメージをお持ちでしょうか。名前や存在は知っていても、具体的にどのような指導がなされている学校なのか、知らない人がほとんどではないでしょうか。
防衛大は、将来の自衛隊の幹部自衛官の養成を目的として創設された学校です。自衛隊のすべての任務には、「いかなる理由があってもミスは許されず、最高の結果を出さなければならない」とされているため、防衛大では、幹部自衛官の任務を全うできるよう、以下のスキルを徹底的に指導されるそうです。
- プレッシャーに打ち勝つ「セルフコントロール術」
- 余裕を生み出す「段取り術」
- 他者と圧倒的な差をつける「時間術」
- 働きやすい環境をつくるための「先読み術」
「常に最高の結果が求められる」というのは、自衛隊に限らず、一般企業で働く人たちにとっても共通するものでしょう。だからこそ著者は、防衛大で学んだ考え方や行動ノウハウを仕事に生かし、営業職としてトップクラスの成績を残すことができました。
ここでは、特におオススメの仕事術を紹介します。
1.「セルフコントロール術」を磨く方法
防衛大では、毎年約600名もの入学者がいますが、1ヵ月後には約100名が「自主退校」すると言います。厳しい規律や縦社会に耐えられなくなるためです。
しかし中には「やめることなど一度も考えたことがない」という学生もいます。そんな未来のエリートの学生に共通するのが、次の2点だと言います。
- 防衛大に入った「目的」が明確である
- 卒業後の「理想」の自分の姿を描くことができている
つまり「目的意識」と「理想の自分」を明確に持っている人は、どれだけ厳しい規律や訓練があっても、最後までやり遂げることができるということですね。
この考え方をそのまま仕事に応用すれば、プレッシャーに負けない前向きな気持ちを作ることができます。
具体的には次のような流れで、「働く目的」と「理想の自分」について再確認してみましょう。
- 何のために仕事をしているのか(目的)
- 誰のために仕事をしているのか(目的)
- 目的に合った行動をし続けると、自分は将来どうなっているか(理想の自分)
- 理想の自分になるために昨日やったことは何か(行動)
- 「4」をやった結果、どうであったか(振り返り)
- 振り返りの結果、今日やることは何か(行動)
- それをやることによって明日の自分はどうなっているか(イメージ)
- そのイメージは自分が理想として掲げている姿か(確認)
これらは就職活動でもよく聞かれる内容ですが、当時は誰もが面接でスラスラ答えられていたはずなのに、日々の仕事に忙殺されていると、忘れがちになってくるものです。
忙しいときこそ原点に立ち返り、初心を思い出しましょう。
2. 継続のコツは「仕組み化」すること!
資格や英語の勉強を途中であきらめてしまったことはありませんか? 自分にも苦い思い出があります。
本書によると、継続のコツは「仕組み化」することにあると言います。防衛大では、春夏秋冬関係なく6時30分に起床し、乾布摩擦をすることが義務づけられているそうです。
毎朝実施される時間が決まっているうえに、「すべきこと」として生活に組み込まれている、つまり「仕組み化」されているため、防衛大生は継続することができるのです。
「継続したいこと」を仕組み化しやすくするためには、「動作」を組み合わせることがポイントです。
+
これから習慣化させるべき行動
例えば、平日に読書する習慣を身につけたいときは、次のように考えます。
+
読書する(習慣化させるべき行動)
↓
寝る前の10分間に読書する!
動作を組み合わせることで、体が覚えてくれるようになり、習慣化しやすくなるのです。
3. 多忙を極めても時間をつくり出す!
「時間は与えられるものではなく、つくるもの」–これが防衛大の時間教育の理念です。
限られた時間の中で任務が終わらなかった際、「時間がありませんでした」は通用しません。自らの工夫によって「時間をつくり続ける」ことが求められるのです。
時間のつくり方には、大きく分けて「足し算」と「引き算」の2つがあります。
①「足し算」で時間をつくる方法
これは、複数のことを同時に行うことで時間を作るという方法です。たとえば、電車での移動中にメールチェックや資料作成をするなどです。
本書では特に、「行動」と「思考」の組み合わせがオススメされています。複数の「行動」を同時にこなすマルチタスクだと、逆に集中力が落ちて生産性が上がらないという指摘がありますが、「行動」と「思考」の足し算であれば、ストレスフリーでできるからです。
たとえば「お風呂に入りながら、今後の人生ビジョンを考える」といった足し算であれば、気軽に取り組みやすいですよね。私も、お風呂に入りながら自分の働き方について考え始めた際、時間を忘れて考え込んでいた経験があります。
②「引き算」して時間をつくる方法
不必要な感情や行動をなくすことで、時間をつくる方法です。これによって本当にすべきことに集中することができます。
たとえば仕事の愚痴ばかりの飲み会や、だらだらと行われる無駄な打ち合わせが、これに当てはまります。
上記の一つ一つは微々たる時間・感情かもしれません。しかし時間は有限であるという意識を持ち、細かな「不必要な時間」まで徹底して引き算していくことが、時間をつくり出すためには重要なのです。
こうした小さな行動の積み重ねは、他者との差を歴然としたものにしていきます。
自分にも活かせる経験はないか?
防衛大での学生生活は、想像を絶するものです。本書で紹介されている仕事術は、著者がそんな過酷な学生生活から編み出されたものであるため、非常に強い説得力が感じられます。
また著者のように、自らの経験による知見を仕事に応用することや、誰かに共有しようとする発想の重要性も本書を通して学びました。
自分もこれまでの経験を洗い出し、応用できること・周りに伝えられるものはないか考えてみようと思います。