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謝罪のプロに学ぶ正しい謝罪の基本。
2016年に入って間もないというのに、芸能界では立て続けにビッグニュースが流れ世間を騒がせています。中でもベッキー、SMAPの謝罪会見については大きな注目を集めました。
ベッキーの不倫騒動は未だに連日ネットニュースのトップを占め、その勢いはとどまる気配がありません。ベッキー問題がここまで尾を引いているのは、誠意を見せるはずだった謝罪会見で、逆に不信感を増してしまったことが一つの要因に思えます。
その内容は多くのファンや関係者にとって釈然としないもので、不倫したかどうかよりも、嘘をついて逃げ切ろうとしているように映ったことが一層の反感を買う結果となってしまいました。
では、具体的にベッキーの謝罪会見は何がまずかったのでしょうか？ 今回はおちまさと氏がプロデュースする人気シリーズから『はじめての男の謝罪マニュアル』を参考に、謝罪の基本を学びたいと思います。
「謝罪」は無策では乗りきれない！
謝罪というのは、自分の非によって相手を怒らせたという圧倒的不利な状況をひっくり返す、非常に高度なコミュニケーションです。
にもかかわらず、多くの人は「とりあえず誠意を見せればなんとかなる」と考え、状況にあった適切な謝罪方法を知らないまま行き当たりばったりの対応をしてしまいます。当然、無策のままただ謝るだけでは相手を納得させることも、許しを得ることもできません。
本書は、そんな謝罪初心者のビジネスパーソンのために、上司や部下、お客さんへの謝り方や電話やネットでの謝り方など、様々なシチュエーションでの適切な謝罪方法についてまとめられています。
ここでは謝罪の大前提となる「基本事項」について紹介します。
絶対に押さえておきたい謝罪の基本とは？
1. 謝る理由をはっきりさせる。
謝罪は「ごめんね」という言葉と共に「要因」と「今後の対策」についての説明を付けることがMUST。そのためにはまず、「なぜ俺は謝らねばならんの？」を見つめ直す必要があります。–P.33
ベッキーの謝罪会見は、丁寧な言葉づかいで、殊勝な立ち振舞で、時に涙ぐみながら、誠意を持って反省の弁を述べたものではありました。
しかしほとんどにの人にとって納得のいく内容ではなかったはずです。というのも、謝罪の理由は「世間を騒がせたこと、心配させたこと」に対してのみであって、騒動の「要因」となった記事や不倫を裏付ける証拠については、一切説明がなされなかったからです。
もちろん本人もそれは分かっていて、様々な事情から隠さざるを得なかったのでしょう。とは言え今回の謝罪が（少なくともファンが納得する）「正しい謝罪」でなかったのは確かです。そのため結局は尾を引いて、全CMの契約継続見送りやテレビ番組の降板、ひいては芸能活動自体の休業を余儀なくされました。
謝罪の際に相手を納得させるためには、騒動の要因となった事実を明らかにすること、そして今後の対策を述べることがいかに重要であるか、今回の騒動が如実に現していると思います。
2. 「弁解」と「説明」は違う。
単なる「弁解」は厳禁、しかし「ただ謝るだけ」もダメ。「なぜ謝るのかわかる？」は子供を叱る時の常套文句ですが、まさにこれです。なぜ、このような事態なってしまったのか。そこを説明できて初めて、アナタの謝罪は「ガキの使い」ではなくなるのです。–P.101
ベッキーの会見は「（不倫ではなく）単なる友人関係」であるという「弁解」と、騒ぎを起こしたことに対して「ただ謝るだけ」のものでした。つまり謝罪の基本が押さえられていない一番良くない形であったと言えます。
加えて記者からの質問には答えられないという対応では、「聞かれたら困ることがある＝嘘をついている」と見られても仕方ありません。
どこまでが事実で、どこからが週刊誌の誤報なのかという「説明」がちゃんとなされていれば、（スポンサー離れや番組降板は避けられなかったにせよ）世間からの印象はここまで悪くならなかったのではないでしょうか。
3. 第一ゴールを設定する。
とりあえず相手の怒りを鎮める。怒りを鎮め許してもらい、今後についても話し合う。謝罪の第一ゴールをどこに設定するのかによって、当日、話すべき内容は変わってくるでしょう。そしてどちらにせよ、下書き原稿を作っての事前シミュレーションは必須。
就活面接や披露宴スピーチの高難度版だと思ってください。–P.33
例えば真実を打ち明けることで、休業は免れないけど潔さを評価してもらい、復帰が早まるようなシナリオを描くのか、真実は語らず形式上の謝罪だけして、人々の関心が薄れるのを待つのかによって、話す内容は大きく変わってきます。「謝ることでどんな結果を得たいのか？」という第一のゴールを設定し、それに沿った内容を考えることが重要です。
もしかすると、今回の会見は「まずは迅速に、自分の口から騒動に関して謝罪することで誠意を見せて（好感度を維持しながら）関係者からの同情や許しを得る」という狙いがあったのかもしれません。
しかし、肝心な部分が曖昧にされた謝罪で納得し、簡単に忘れてくれるほど世間の目は甘くありませんでした。この結果が事務所側の想定内のことなのか、事態の認識の甘さを後悔しているのかは分かりませんが、基本が押さえられていない謝罪では、相手を納得させることはできないということがよく分かったと思います。
芸能界の騒動と一般人の日常生活でのいざこざとでは事情が異なるのはもちろんですが、第三者視点で見れば、今回の騒動は「正しい謝罪の方法」に目を向けるよい機会になったのではないでしょうか。
モデルプロフィール
・名前 ：佐藤瀬奈
・生年月日 ：1989.6.23
・出身 ：埼玉県
・職業 ：モデル、ライター
・やりたい仕事：今後はライターとしての場をもっと広げていきたいです！
・Twitter ：@senapuu
・Instagram ：@senapuu
おまけ
ライター：渡邊
カメラマン：こば犬
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