『日本再興戦略』を読んで考えた!私の「専門性×専門性」戦略

『日本再興戦略』を読んで考えた!私の「専門性×専門性」戦略




 テレビをつけると少子高齢化・ブラック企業・待機児童問題などネガティブな報道が多く、日本の未来について明るい想像をしづらいムードが漂っています。

 このままでは良くないのは分かっている。分かっているけど、今後の日本をどのように変えていけばいいのかなんてスケールが大きすぎて全く実感がわかないし、自分自身がどう進んでいけばいのかも分からない。私も含め、そんな人がほとんどではないでしょうか。

 そんな私が今回読んだのは、今世界で最も注目される科学者の一人と言われている落合陽一氏の『日本再興戦略』

 科学の世界はもちろん、アートや経営、教育など様々な分野で活躍し、多くの著名人が「天才」と認める落合氏が「日本が今後どのような方向に進んでいくべきか」について語った1冊です。

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日本人が目指すべき働き方とは?

 日本を再興していくためには、まず日本という国が自信を取り戻さなければなりません。そのためには「過去において根本的に何がすごかったのか、何が凄くなかったのか」を認識するところから始める必要があると落合氏は言います。

 日本が経済成長を遂げられた一つの要因として「言われたことを忠実に実行するための教育」を行ったことが挙げられます。均質化された能力が育まれた結果、自然と足並みがそろい、不良品の少ない、一定以上の品質の製品を大量生産することができ、それが工業社会を支えてきたのです。

 しかし工場が機械知能化されてきた現代では、多くの作業が機械に変えられ、均質的な能力は必要とされなくなってきました。大量生産時代にはぴったりだった日本教育システムが、現代では合わなくなってきているのです。

 では、私たち日本人はこれからどのような生き方を目指すべきなのでしょうか? この問いに対し、落合氏は「日本人は百姓的な生き方を目指すべきだ」と主張します。ここでいう百姓とは「農民」という意味ではなく、文字通り「百の生業を持つ人」を表します。



「専門性×専門性」で独自性を発揮せよ

 今後AIが普及していくと、専門性のない人々の仕事は今まで以上のスピードで機械に置き換えられていきます。そうした中で生き残っていくためには、百の技能を身につけ、「専門性×専門性」の組み合わせで独自性を生み出すことで、機械に代替されない人材を目指す必要があります。

 その際、一つの企業・職種に固執することなく、横展開していくことが大切だと言います。現に落合氏は大学で教鞭を取りながら、メディアアーティストとして作品も作り、それを実社会に活かすための会社経営も行っています。これは、何度も「美女読書」で紹介されている堀江貴文氏の著書『多動力』にも通じるところがあるでしょう。

私の「専門性×専門性」戦略

 私は現在一人でスポーツに特化した鍼灸院を運営しています。専門性で言うと「鍼灸治療」です。国家資格が必要なので、誰にでもできるわけではありませんが、資格を持つ人は日本に50万人以上いると言われています。

 つまりこれだけではオンリーワンにはなれません。しかし私はこれに加えて「陸上競技の指導」も行っています。これも専門性と呼べるだけの実績を積み上げてきたと自負しています。

 鍼灸師の資格を持ち、現在スポーツ現場で選手のサポートをしてる方で、自身もかつては選手だった方は多くおられます。しかし自分が指導者として競技スポーツに携わる経験を持つ方はほとんどいません。(少なくとも私は今までお会いしたことがありません)

 選手と指導者どちらも経験しているからこそ、両方の立場を理解した上で、鍼灸師としての見解や提案をすることができます。

 ケガや痛みの判断は、今後AI技術の発達などで機械に役割が移ってくるかもしれませんが、選手・指導者の気持ちや意図を汲んだ判断というのは機械に代替することは難しいのではないかと考えています。

 だからこそ現在の私の「専門性×専門性」は独自性になると思っています。

まずは一つの専門性を掘り下げる

 注意が必要なのは、百姓的に働くというのは、決して何にでも手を出して器用貧乏になれと言っているわけではないということです。

 落合氏は、百姓的な生き方を勧める一方で、むやみに手を広げるのではなく、まずは一つの専門性を掘り下げて名を上げることが重要であると説いています。

 一つの分野で名を上げることができれば、他分野のトップオブトップの方たちと交流を持てるようになり、効率的に他分野の能力も上げていくことができるからです。

 私は将来的には、スポーツ栄養学や筋力トレーニングなども自分の専門性と呼べるように学んでいきたいと思っていますが、まずは今の専門性を高めていくことが大切だと感じました。

 興味があることに片っ端から手を出し、浅い知識と経験ばかりを積み重ねても専門性とは呼べません。多くの情報はネット検索で入手できるからです。

 専門性と呼べる領域まで達するには、ネット検索では知り得ない知見が必要で、それを知る最短ルートが、まずは自分の専門性をトップオブトップの領域まで引き上げることなのです。

 百姓的な生き方とは、百のことをただ行う生き方ではなく、「専門性のある」百の生業を目指すということなのでしょう。この解釈を間違えると危険だなと感じました。

まとめ

 本書には他にも

  • 「欧米」とはユートピアの事であり、そんなものは存在しない
  • 自動運転・5Gの到来によって変わる世界
  • 人口減少・高齢化は日本にとってチャンスである
  • トークンエコノミーと地方自治による日本再興

 等々、テクノロジーや教育、経営に精通する落合氏にしか書けない内容が盛り沢山です。

 日本が今後どの方向に進んでいくのか、進んでいくべきなのか、あくまでも落合氏が考える一つの案ではありますが、納得できることだらけの内容となっています。

 日本再興戦略は革命や改革ではなく、アップデートである、と落合氏は言います。

 日本の未来にネガティブなイメージを持っている人、今のままじゃいけないのは分かっているけどどうすれば良いのか分からない人に、ぜひ読んでいただきたい本です。

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