4月から新社会人の私が『ポスト平成のキャリア戦略』を読んで得た3つの目標

4月から新社会人の私が『ポスト平成のキャリア戦略』を読んで得た3つの目標




 4月から新社会人として働く大学生、オノデラです。

 本格的に働き始めるものの、自分自身のキャリアや目指すビジネスパーソン像に関してはまだ探り探りの状態です。それもそのはず、「どんなビジネスパーソンを目指すべきなのか」「そのために、どんなことをするべきなのか」は、実際に働いたことがないと想像でしか語れませんよね。

 「これでは、新年の目標も立てられないじゃないか」と考えていた時に出会ったのが、『ポスト平成のキャリア戦略』です。

 この本は、経営共創基盤・取締役塩野誠さんとNewsPicks編集長・佐々木紀彦さんが「これからの時代をどう生きるべきか」をテーマに対談し、まとめた本です。

 どちらも、業界の第一線で活躍するビジネスパーソン。2人だからこそ語れる「リアルキャリア論」を紹介していきましょう。

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ハングリー&ノーブルなリーダーであれ

 2人が考える「これからのリーダー像」は、「ハングリーでありノーブル」な人物です。

 まずハングリーさとは、「この分野で一番をとりたい!」といった野心や困難に果敢に挑戦する姿勢を示します。たとえば日本のベンチャー界を代表する堀江貴文さんは、ハングリーさをもった人物としてイメージしやすいと思います。

 一方、ノーブル(高貴)さとは、直訳すると、気品があるとか、身分が高いといった意味です。ここでは、邪道に走らないための倫理観や社会に対する当事者意識のことをいっています。たとえばアメリカの起業家イーロンマスクは、自分が電気自動車事業(テスラ)をやる理由を

 私は単純な成長だけを目的に企業を成長させようとは思っていません。会社の成長よりもEV(電気自動車)をもっと普及させることの方がはるかに重要です。それが世界にとって良いことだからです。株価うんぬんは関係ありません。

 と話しています。自社のためではなく、国のため、世界のためといった高い視座を持っていることが「ノーブル」さと言えるでしょう。

 これら両方を兼ね備えた存在が、2人が語るこれからのビジネスリーダー像なのです。



なぜハングリー&ノーブルなのか?

 ところで、「なんで両方もつ必要があるの?」と思う方もいるかもしれません。お二人は、どちらか一つだけではなく、両方兼ね備えることの必要性を説いています。

塩野:ハングリーさがないと事を成せないですし、なんでも貪欲に吸収し、決断する度胸も持てません。その一方で、ノーブルさがないと、悪い事をしてしまう(p.38)

 最近よくある企業の不祥事は、まさにハングリーさがノーブルさを上まわり、法を犯してしまった事例と言えます。

 どれだけ高いユーザー数や売上を出すことができたとしても、その過程で犯罪に手を染めてしまったら、会社やリーダーは称賛されませんよね。

 力をもったリーダーが「自分の力」に飲み込まれないためにも、「ハングリーさとノーブルさ」の両方をバランスよくもつ必要があるのです。



20代は、自分のリセット期

 お二人が考える理想的リーダー像はわかりました。では、具体的にどうやって目指せばよいのか…? 本書の後半では、年代別にハングリーでノーブルなリーダーになるためのキャリア論が語られています。

 20代として仕事をしていくために持っておくべきスタンスに注目してみました。

1.まずは挑戦し、自分を「リセット」する

 お二人が勧めているのは、早いうちに挑戦して、「自分の無力さ」に気づくことです。

塩野:まずは、自分の無力さを知るべきですよね。挫折して、「本当に俺はダメだ、私はダメだ」と根拠のないプライドをリセットする。そのうえで、また自分というものを作っていくべきです。そうした経験がないと、謙虚さと大胆さは生まれません。(p.143)

 30代、40代になってくると、失敗するのにも勇気がいります。だからハードルがまだ低い20代のうちに失敗し、今後のキャリアで邪魔になるプライドを折っておくことが必要なのだといいます。

佐々木:20代はとにかくプライドを蹴散らせれて、新しく生まれ変わる経験が大切だということですね。そこでいろんな経験をしていって、失敗をしながら這い上がっていくべきだと。(p.166)

コーチャブルさを身につける

 そのときタダで転ぶのではなく、まわりからのフィードバックを受け止め、学習することが重要になります。

 これに関して、塩野さんは、20代のビジネスパーソンが成長するために持つべき素質として、「コーチャビリティ(Coachability)」を挙げています。

 コーチャビリティとは、

塩野:いろんな人の意見やアドバイスをいったん受け止めて、何でも「イエス」と言うのではなく、自分に必要なものを咀嚼する能力です。(p.145)

 20代はまだまだ経験が少ないので、先輩社員からフィードバックされる機会が他の世代に比べて多いと思います。でも、全てのフィードバックを受け入れていたら、尖のない丸い人間になってしまいます。何より、全てをやろうとしても中途半端になってしまう可能性がありますよね。

 だからこそ、(これからも指摘してもらうためにも)一度は受け止めるものの、自分の必要なものを取捨選択する姿勢が必要なのです。もちろん、お二人が話すリーダー像もそのまま受け入れるのではなく、自分に必要かどうかを考えるプロセスが必要です。

「個」として戦う準備はできているか?

 塩野さんと佐々木さんの話を読んでいて、20代新卒として働く上で大事なことは次の3つだと思いました。

  1. 未知で困難なものだからこそ挑戦するマインドを持つ。
  2. 好奇心を持ち貪欲に吸収しながらも、適切な取捨選択を行う。
  3. 自分だけではなく、「他者」や「公」への当事者意識を持つ。

 これらの要素を持った人は、組織に所属することを自分の目標達成のための手段と考え、そこに依存することなく、「個」として戦っていけるようなビジネスパーソンだと思います。

 僕もハングリーさとノーブルさを兼ね備えたリーダーになるために、まずは上記3つのことを意識していきたいと思います。

 本書の中には、塩野さんと佐々木さんの日本のビジネスパーソンに対するストレートな言葉が散りばめられているので、とても刺激的な一冊になっています。ぜひ一読してみて下さい。

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