本を1トン読む!働く大人の「学び」に必要な行動とは?

本を1トン読む!働く大人の「学び」に必要な行動とは?




 こんにちは、大関です。今回、読んだのは『働く大人のための「学び」の教科書』です。

 これまでの人生での「学び」といえば、学校教育や習い事での経験が思い浮かびます。当然ながら、それらの学びには教えてくれる先生がいましたし、(最低限)何を学ぶのかが用意されていました。

 それに対し、社会に出てからは基本的にすべて自分の力で学んでいかなければなりません。しかも生きていく限り、その場所に適応するために学び続ける必要があります。

 改めて大人にとっての「学び」とは何か考えなおす視点が欲しい、また年下の人に「何を学んだらいいか?」「どんなスキルを身につけたらいいか?」と聞かれたときに、その人が自分の将来を考えやすくようにどんなアドバイスができるか知りたいと思い、この本を手に取りました。



学び続けなければ生き残れない

 かつては仕事経験を重ね、キャリアを伸ばしていくこと(キャリアの登山)が求められていました。

 これからの時代は、仕事人生の長期化が予想されています。そこで求められるのは、仕事役割の交替、職責の引継(キャリアの下山)、そして新たな目標を設定し、違った役割、組織で働くこと(再登山)です。

 ところが、仕事人生の長期化によって下山途中に遭難する人、再登山に躊躇する人が増えているようです。それは仕事人生の中で学び直すこと、変化することに対応できなかった人たちだと著者は言います。

 今は技術革新や変化のスピードが速くなっており、ついていくためには変化に応じて学び直し、自らを変えていく必要があります。

 「大人の学び」とは「自ら行動するなかで経験を蓄積し、次の活躍の舞台に移行することをめざして変化すること」と著者は定義しています。

 変わることのキッカケは「行動」と「経験」。次のステージに自らを向けることです。組織文化研究の第一人者、エドガー・シャイン教授の言葉に「生存不安」と「学習不安」があります。

  • 「生存不安」→生存していくことに関する不安
  • 「学習不安」→学習すること、変化することに対する不安

 シャイン教授は「人は生存不安を高められて、かつ、学習不安が減ったときに学習する」と結論づけています。しかし著者が言うように、「他者に生存不安を脅かされてから学ぶのでは、学びそのものに喜びをなかなか感じられなくなる」のではないでしょうか?

 他人に強制されるのではなく自分で決めることが、学びに対しての負担を少なくするのだと思います。

 では、大人たちはどのようにして学んでいけばよいのでしょうか?

 「大人の学び」は「3つの原理原則」と「7つの行動」から成り立っていると著者は言います。



「大人の学び」3つの原理原則

①背伸びの原理

 「背伸びの原理」とは、「人間が能力を伸ばすときには、なんらかの背伸びを必要とする」という原理です。

 現在の能力でできることをどれだけやったとしても、能力を伸ばすことはできません。能力を伸ばすには、意識的に今の能力ではできないことにチャレンジしていくことが必要になります。しかしなんでも挑戦すればいいわけではありません。

  • コンフォートゾーン
  • ストレッチゾーン
  • パニックゾーン

 という心理状態をあらわしたゾーンがあります。「パニックゾーン」に入ってしまうと、できないことに対する不安や心理的な混乱から、成長どころではなくなってしまいます。それに対し「コンフォートゾーン」は、いつもの仕事をこなしたり、自分がラクをしたりできる領域です。当然、成長は見込めないですよね。

 成長するためには、今の能力での達成は難しいけれど、頑張れば目標達成が可能である「ストレッチゾーン」に意識して身を置く必要があるのです。

 「背伸び」をしていくために何から始めればよいのか? 著者は2つのヒントを提示しています。

  1. 楽しみを感じることにチャレンジする。
  2. 感謝されることにチャレンジする。

 1つ目は、知的好奇心を感じることや興味関心のあることにチャレンジすること。そうすれば結果として長続きし、キャリアにもつながっていきます。あなたは、先生や親に勉強しろと言われて喜んで勉強しましたか? 進んでは勉強しなかったはずです。もちろん、僕もしませんでした(笑)

 人に強制されたり、嫌々チャレンジしたりするよりも、自分が楽しいと思えることにチャレンジした方が、たとえ困難なことであってもモチベーションが高まりますよね。

 2つ目は、誰かの手助けや役に立つことをして、他人から感謝されるというものです。なぜ人の役に立つことから始めた方がよいのか、著者は次のように説明しています。

 人がどのような方向にチャレンジしていいかわからないというときは、たいてい「自分が弱っているとき」だからです。(中略)そんなしんどいとき、弱っているときに、ぐりぐりと自己の内面をまさぐっても、何も出てこないことが多いのです。

 他人から感謝や承認をされることで、「背伸び」に取り組むモチベーションを与えてくれるかもしれません。

 では、具体的に何にチャレンジすればよいのでしょうか。

 その答えは「まずは勇気を出して、何かに取り組んだ人にしか得られないもの」だと著者は言います。

 まずはやってみること。そこで得たことが正しいか、間違っているかは自分にしかわかりません。しかし行動したことによって経験を得ることができ、そこからどの方向に転換していけばよいのか、道を探れるようになっていきます。

 一方、何をやったらいいのかわからないという状態で立ち止まってしまうと、いつまで経っても、どの方向に進んでいけばいいのかわからないままです。

 まず、動いてみる。何をやっていいか迷うときは「楽しみを感じること」「他人から感謝されること」に取り組んでみることが大切なのです。

②振り返りの原理

 振り返りとは、「過去の自分の行動を見つめ直し、意味づけたうえで、未来に何をしなければならないのかを、自分の言葉で語れるようになること」です。

 経験を学びに変えていくために必要なのが、振り返りです。振り返りは、3つの問いから考えを巡らせることによって深まっていきます。

  1. What? (過去に何が起こったのか?)
  2. So what? (どのような意味があったのか? 何がよくて何が悪かったのか?)
  3. Now what? (これからどうするのか?)

 本書で紹介されている事例では、プレゼンテーションでミスをしてしまったことを挙げています。

(1)What? 何が起こったのかを思い出す

  • プレゼンテーションでロジカルに提案内容を組み立てることができなかった。
  • 論理的に話していたつもりだったが、相手には伝わらない内容になっていた。

(2)So what? どんな意味があったか? 何がよくて何が悪かったのか? を考える

  • ふだんはロジカルに物事を考えることができている。
  • 資料づくりに時間を割くことができず、他人の資料をコピペして作成した。
  • 今回のプレゼンのなかで初めて目にするいくつかのデータがあり、これを自分の言葉で伝えられなかった。

(3)Now what? これからどうするのか?

  • 根本的な原因はプレゼンの資料を自前でつくりこむ時間がなく、他人のデータをコピペしてしまったこと
  • 今後、プレゼンテーションのある週は、かなり前もって準備を行うようにする
  • やむなく、他人の資料をコピペするときは、前後のつながりをもう一度見直すことも決めた

 3つのプロセスで深掘りしたことによって、「プレゼンテーションでミスをしたのは、準備不足のせいで自分の言葉で伝えることができなかったから」という根本的な原因にたどりつくことができました。

 振り返りには時間がかかりますが、過去を見直すことで、同じようなミスを繰り返さないようにしていくことが大切なのです。

③つながりの原理

 原理1、2と個人で行うものでした。3は、助けやアドバイスをくれる第三者が必要という原理です。

 他人からアドバイスをもらったり、誰かと一緒に振り返りをして自分の状態に気づかされたり、励ましや承認を受けたりすることで成長していくことができます。



「大人の学び」7つの行動

 7つの行動として紹介されているのは下記の通りです。

  1. タフな仕事に挑戦
  2. 本を1トン読む
  3. 人から学ぶ
  4. 越境する
  5. フィードバックをとりに行く
  6. 場づくり
  7. 教えてみる

 この中で僕が注目したのは、②「本を1トン読む」。これはヤフー株式会社の宮坂学社長の言葉です。

 ちなみに1トンという数字は、1冊に3時間かけて単行本を読むとした場合、(1冊の平均的な重さを400gに換算すると)1年で141冊、56.4キロ分の本が読めることになり、それを18年間続けると1トンになる、という計算からきています。

 著者は本を読むメリットを2つ紹介しています。

 一つは、「自分のなかに地図をもつ」こと。もう一つは、「他者の経験や思考を代理学習する」ことです。

(1)自分のなかに地図をもつこと

 本を読み、知識をアップデートすることは、自分のなかの地図を広げることに似ていると著者は言います。

(2)他者の経験や思考を代理学習すること

 自分で直接経験したことは、学びとして自分の血肉となります。ただし欠点として時間とコストがかかってしまいます。

 本を読めば、他人の経験や思考を代理学習することができるので、効率よく学ぶことができます。

何を読むべきか

 では、何を読んだらいいのでしょうか。背伸びの項目で、「まずはやってみることが大事」だと書かれていたように、読書に関しても、まず読んでみることが大事です。

 著者は、「読んでいく中で、しっくりきた本としっくりこなかった本を整理して、しっくりきた本をさらに読み進めることをおすすめします」と言っています。

 僕も、読書を始めたての頃は何を読んでいいのかわかりませんでした。僕の経験だと、ニュースで気になったトピックや新聞・電車の中吊り広告などから本を選んだり、本の中で参考文献として紹介されているものを読んだりしています。

 学ぶことは、自分の人生を考え直したり、自分の選択肢を広げていくきっかけになると思います。

 本書があなたの大人の学びを見つける一冊になれば幸いです。学び続けましょう!

執筆者プロフィール

大関槙一
1986年生まれ。読書、ホラー、神社仏閣巡り、猫、謎解きをこよなく愛す30歳男性会社員。
ブログ:「のーぶっく、のーらいふ」
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