未来学者が予測!50年先まで安泰な仕事とは?

未来学者が予測!50年先まで安泰な仕事とは?




 「現存する49%の仕事がロボットと人工知能(AI)に奪われる」ーー野村総合研究所とイギリスの名門オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授が2015年に発表したこの衝撃的な未来予測を、一度は見聞きしたことがあるでしょう。

 それから4か月後に出版されたのが、今回ご紹介する『未来化する社会』です。

 著者のアレック・ロス氏は、Foreign Policy Magazineの「世界の頭脳TOP100」に選ばれ、オバマ政権下の国務省でヒラリー・クリントンの元参謀としても大活躍した40代の若手未来学者です。

 本書では、これからの20年間に起こる経済的・社会的な大変革を、テクノロジー(主にロボティクスと人工知能)の面から明らかにしていきます。

 ロボットやAIと聞いて、何をイメージしますか? 「人間の仕事が減ってしまうのでは?」「自分の仕事も取って代わられてしまうのでは?」とネガティブに捉える人も多いと思います。そうした不安に駆られる人たちが知りたいのは、「これからどんな仕事をすれば稼ぎ続けられるのか?」ではないでしょうか。

 本書にはその答えが明記されていますので、後ほどご紹介させていただきますね。

 ご挨拶が遅れました、米田です。現在は個人事業主として経営者、起業家、各業界のリーダーの方々の講演や研修のマーケティング、セールスのサポートをしています。

 同時に、シリコンバレーで25年間、業界ナンバーワンの超巨大グローバル企業の経営陣を務めた方や、2000億円企業グループの次期社長候補の方、ベンチャー企業の資金調達の専門家の方など、100名以上の経営者や起業家が所属する経営者団体の幹事も務めています。

 その会合でこれからの日本経済とキャリアの話をする際に、必ず話題に上がるのが「50年先まで安泰で高給取りな職業」についてです。その予測が、本書の内容とぴったり一致していてびっくりしました。

 これからの仕事とキャリアを考えるうえで、非常に有益な情報になるので、ぜひこの後も読み進めてくださいね。



ロボットやAIがもたらす雇用の変化とは?

 本書では、自動車業界や医療、教育分野におけるロボットの活用事例とその影響をもとに、「生産性は過去最高レベルに達し、イノベーションもかつてない速さで進んでいるのに、一方で平均年収は落ちこみ、職の数は減っている」という残酷な真実を明らかにしていきます。

 しかしアレック・ロス氏は、ロボットをはじめとするテクノロジーの進化は、多くの職を葬り去ると同時に、新しい職をつくり出すと言い切ります。

 つまりこれからは、ほぼすべての仕事がロボットやAIにとって代わられるリスクがある一方で、新たに生まれる職業には大きなチャンスがあるということです。

 具体的には、

  • ロボティクス
  • ライフサイエンス
  • お金のコード化
  • サイバーセキュリティ
  • ビッグデータ

 という近未来の5つの主要産業を例に、これからの20年で経済と社会がどのように変わっていくのかを主張していきます。



50年先まで稼げる職業とは?

 アレック・ロス氏は、テクノロジーの進化によって私たちの生活はより便利に、より豊かになっていくと説きます。

 例えば「財布を家においていけるようにしたい」という思いから生まれた「スクエア」という新しい決済システムを例に挙げ、クレジットカードはもう古い決済サービスであると述べています。

 ほかにも「イーベイ」は個人間での売買を当たり前にし、「エアビーアンドビー」は世界中の人に自宅や空いている部屋を貸し出すことを可能にしました。

 こうしたテクノロジーを活用した新しいサービスの登場によって、個人が起業するハードルは大きく下がり、私たちは会社に縛られない働き方を選択することが一層容易になってきています。

 さらに今後、お金のやり取りは、ビットコインをはじめとした仮想通貨で行われていく流れができています。

 そうなると課題になるのが「セキュリティ」の問題です。実際、2014年2月には5億ドル分ものビットコインがハッカーによって盗まれ、近年はサイバーテロ事件も続出しています。本書では、こうした事件の関係者たちの生々しい証言も語られています。

 サイバーセキュリティ産業に対して、誰もが反対せず、完全に一致している意見が一つだけあります。

 それはこの産業がこれからも成長し、巨大化しつづけていくということです。サイバーテロは、顧客情報をはじめ企業の機密情報に関することであり、商売の根幹である信用にかかわる問題なので、さらに投資額が増加すると予想されているのです。

 これは国家間においても重要な課題であるため、国家予算の中から莫大な金額が割り当てられ、その額は増加し続ける一方だと関係者は言います。

 そしてアレック・ロス氏は、本書のP.227でこう断言します。

 もし、いまの大学生に、50年先まで安泰で高給取りになれる業種はどれか、と尋ねられたら、私は「サイバーセキュリティ」と即答する。

 これこそが「50年先まで安泰で高給取りな職業」の答えです。

最後に…

 これからお伝えするのは、私が幹事として参加している経営者団体の仲間から教えてもらった話です。

 日本では2017年9月にGMOインターネット社が、2017年10月にDMM社とサイバーエージェント社が、ようやく仮想通貨に関する事業を立ち上げました。

 しかしアメリカのスタートアップ企業の見本市では、2017年9月の時点で、既に仮想通貨に関する企業は見当たらず、セキュリティー関連企業にばかり投資資金が集まる状態になっているようなのです。

 本書で予測されていることが今まさに現実となっており、そのスピードは予想をはるかに上回るものとなっています。

 今回の記事では、何も「転職するならサイバーセキュリティ業界にしよう!」と勧めたかったわけではありません。

 ただもっと未来の変化に目を向けて、これからの人生をより戦略的に生きていこうよ! ということを伝えたかったのです。

 もちろん、やりたいこと・できることからキャリアの構築を考えていくのもいいですが、もっと大きな社会の流れにも目を向けるべきだと思うのです。

 これからの時代は、一部の人が大勝ちして、大半の人(主に中流といわれる人々)は、「職を失い年収が下がる」本当に厳しい時代です。

 その中で後悔することなく、自分の人生を生き抜き、安定した収入が得られる職業に就くためにも、本書のような「すぐには役に立たないかもしれないけど、将来を考える上でとても大切な情報と視点」が得られる本を読んでみるのはいかがでしょうか。






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