リーダーに求められるのは柔軟性!一つのやり方に固執せず上手に「ブレる」べき理由

リーダーに求められるのは柔軟性!一つのやり方に固執せず上手に「ブレる」べき理由

上手にブレることの重要性が高まってる

 「理想のリーダー」と聞くと、どんな人物をイメージしますか? 一貫した信念を持ち、最初に立てた計画を確実に実行する人でしょうか。

 一貫した理念やスタイルを持つことはもちろん重要です。しかしインターネットやスマホの浸透で変化のスピードが増し、個人の価値観が多様化している現代において、ひとつのやり方に固執し続けることは、時代に取り残されてしまう大きな原因となります。

 ひとつの分野で大きな成功を収めた企業ほど、過去の成功体験にしがみつき、既存のやり方をこだわろうとします。その結果、時代に取り残されてしまうケースが多いのです。

 今や自分の考えにこだわりすぎることなく、外部から意見を積極的に取り入れる柔軟性を持つことが、組織でリーダーの立場にいる人だけでなく、自分自身を成長させたい人にとっても重要なスキルとなっています。

 本書では、Amazon創業者のジェフ・ベゾスや、自動車メーカーのフォードを蘇らせたアラン・ムラーリーなど、各分野で大きな功績を挙げたトップリーダーたちの「ブレる」エピソードが数多く紹介されています。

リーダーに柔軟性が求められる理由

 「自由意思」に関する行動心理の検証をしたところ、被験者の多くは「外部からの抑圧に屈せず行動した経験」を、自由意思を行使できた経験として語ったそうです。

 つまり人々は、他者からの影響を拒絶することを自由意思ととらえやすく、素晴らしいリーダーとはそういった外的要因に影響されない人物であると思いがちなのです。

 しかしこのような見方が、合理性を欠いた偏見や悪しき習慣を生んでいると筆者は言います。

 事実を受けとめ、自分の考えを改める柔軟性を持つことが、リーダーとしてより重要な要素になっていくと、本書では繰り返し語られています。




Amazonジェフベゾスの柔軟さ

 かつてAmazonは、アメリカで最大のオークションサイトebayに対抗するため、「Amazonオークション」というサービスを展開していた歴史があります。

 当時、ネットオークションは急伸している分野のひとつでしたが、ジェフベゾスは短期間であっさりと撤退を決定しました。伸びしろがある分野であることは明らかだったものの、Amazonのメインユーザーであるファミリー層にとっては不要なサービスだったからです。

 現在では、「Amazonマーケットプレイス」という第三者販売プログラムに姿を変え、その苦い経験が活かされています。

 また、音楽配信でAppleのiTunesに遅れをとったAmazonは、次に電子書籍にビジネスチャンスを見出します。

 ジェフ・ベゾスは、信頼する役員のスティーブ・ケッセルに電子書籍の読書用端末の開発を指示しますが、当時ケッセルは、アマゾンの主力部門であるの紙の書籍部門を担当しており、電子書籍への参入はアマゾンの伝統的な部門にダメージを与えることにつながると危惧していました。

 しかしベゾスは、「大企業が没落する原因は、大きな状況の変化に直面したときに、コアビジネスに対して短期的に悪影響を及ぼす新しい機会に積極的に取り組もうとしないことだ」ということを知っていたので、電子書籍ビジネスへの参入を決断し、現在の不動のポジションを築くことができたのです。

 対照的なエピソードとして、書店業界大手のバーンズ&ノーブルがあります。同社は、Amazonよりも早く電子書籍端末の開発に投資していましたが、急いで普及させるために力を注ぐことはせず、「紙の書籍は電子書籍に置き換えられるものではない」「電子書籍ビジネスに戻ることは可能だが、数年後もそれは小規模なビジネスなままだろう」と考え、早々に撤退を決断しました。

 紙の書籍にこだわるあまり、契機を逃してしまったのです。

 本書では、こうしたエピソードを可愛らしいイラストによってまとめてくれています。

完璧主義者スティーブ・ジョブズが
持っていた柔軟さ

 故スティーブ・ジョブズの配偶者であるローレン・パウエルは、ジョブズと結婚し、新居に引っ越しましたが、身の回りに置くものに強いこだわりを持っていたジョブズの意向により、ろくに家具を取り揃えることができなかったそうです。ソファに関しては8年間も2人で話し合ったとか。

 完璧主義者といわれるジョブズの人間性がよくわかるエピソードです。

 一方、iPhoneよりも先にタブレットサイズの端末の開発を進めていたジョブズは、試作機を見たあとに、電話としての用途があることをひらめき、一気に携帯端末の開発へと舵を切ったそうです。そしてこれが、その後の革命へと結びつきました。

 ジョブズはプロダクトの細部までこだわる完璧主義者と見られていますが、広い視野を持ち、より良いアイデアを取り入れる柔軟性も持ち合わせていたのです。

確証バイアスに陥るな!

 確証バイアスとは、自分の考えを肯定する情報ばかり優先し、否定的なものには目を背けてしまう傾向のことです。

 インターネットの検索結果はパーソナライズ(個人化)され、人によって最も望む結果が表示されるようにカスタマイズされています。

 自分にとって都合の良い情報にばかりアクセスすることに慣れてしまったことで、自分の考えが正しいと思い込みやすく、広く意見を取り入れる柔軟さを持つことが難しくなってきていると言えそうです。

 歴史上の偉人で、天才と称えられるレオナルド・ダヴィンチは、自分の描いた絵を客観的に見るために、鏡を通して左右反対に絵を眺め、自分の作品の欠点を発見していたそうです。

 人を最も騙すのは、自らの意見である(中略)自分の作品よりも他人の作品の誤りを見つけるほうが簡単だということを我々は知っている。描いているとき、鏡を手に持ってときどきそれを覗いてみればいい。すると作品は逆さまに見え、まるでほかの画家の手に描かれたもののように思える。それが作品の欠点を判断する最善の方法だ。

まとめ

 私自身、現在進行形でブレている最中です。上手にブレることは、組織のリーダーや部下を持つ上司だけでなく、個々人にとっても重要なスキルになるでしょう。

 本書は自分の意志や計画を改めることが結果的にどうなるのか、先人から学べるエピソードが数多く紹介されています。

 すでにブレている人、これからブレようと思っている人、ぜひ本書を読んで上手にブレるためのヒントをつかんでください。

執筆者プロフィール

ロマ本
東京都在住の20代男性。IT関連からサブカルチャーや起業、哲学、ラノベまで興味の赴くままに幅広く読んでいます。

ここ数年、本をたくさん読むようになり、それが高じて書評ブログを始めました。基本的には新しく刊行された話題の本を書評としてまとめるようにしています。

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