フェイスブックの歴史を振り返りながら、マーク・ザッカーバーグの成功要因を読み解く!

フェイスブックの歴史を振り返りながら、マーク・ザッカーバーグの成功要因を読み解く!


 こんにちは、ひとはです。

 世界で最もユーザー数が多く、毎日多くの人が使っているフェイスブックでは、ユーザー同士を快適に繋ぐために、私たちが想像を超えるような努力や投資が行われています。

 創始者であるマーク・ザッカーバーグがいかなる考えをもって、どのような事を成し遂げて来たのか、そして彼が「ミッション」としていることは何なのか。

 本書はフェイスブックがどのようにして世界一のソーシャルネットワークサービスになったかを詳しく解説しつつ、マーク・ザッカーバーグの人物像を浮き彫りにしていきます。

 それは単なる成功者の自伝的な読み物ではなく、ネットという不確かなものの中で生きる私たちにとっても非常に示唆に富む内容になっています。



誕生:ザッカーバーグと偉人たちの共通点

 フェイスブックは2004年に、ハーバード大学に在籍する学生を検索するサービスとしてスタートしました。友達同士を繋ぐ機能や、大学の中で興味ある領域や趣味といった情報をオンラインでまとめ、クラスメートになる学生のことを知るためのものでした。

 それがアメリカ中の大学や高校へと広がり、さらには海外へと広まって、現在ではユーザー数17億人を超える巨大なソーシャルネットワークとなっています。

 その成長の秘密は何処にあるのでしょうか。

 フェイスブック誕生から今日までの20数年間で、生まれては消えていったネット関連企業は数知れず、その中で生き残り、世界一のソーシャルネットワークを築き上げたマーク・ザッカーバーグ。

 彼に先見の明があったことはいうまでもありませんが、実はアメリカの偉大な人物たちとの共通点があると言います。

 例えば月に人類を送ると宣言したジョン・F・ケネディ大統領や、アップルのスティーブ・ジョブス、アマゾンのジェフ・ベゾスといったビジネス界での偉大な先駆者たちとの共通点として、以下の3つが挙げられています。

  1. 不可能を可能にするミッションを遂行する熱意を絶やさないこと。
  2. 愚かで賢いビジョナリーであること。
  3. プロダクトを軸に優秀な開発者を惹きつけるアカデミーを作ること。

 1つ目の「熱意を絶やさない」というのは誰にも分かりやすいことだと思います。熱意なくして偉大な成果を上げることはできません。

 2つ目の「愚かで賢いビジョナリー」とは、一見すると愚かに見える賢いアイデアにいち早く気づき、それを追い求めることができるということです。先見の明があるだけでは足らず、そのアイデアが実現するまで追い求められるかどうかが、凡人と偉人を分けるのでしょう。

 そして3つ目は「人」です。ザッカーバーグには人を惹きつける魅力をもっているため、優秀な人が続々とまわりに集まってきます。その魅力は、「世界をよりオープンにつなげる」という大きく心に響く「ミッション」があるからこそです。



危機:ミッションに従うことで乗り越える

 2012年になると、フェイスブックは全世界で9億人のユーザーを抱えるまでに成長していました。そしてその年の5月にナスダック市場に初めて株式を上場したのです。

 それはアメリカ史上2番目の大型上場となりましたが、それから109日後の9月4日、フェイスブックの株価は公開価格の約半分となる17.73ドルで取引を終えます。

 誰もがフェイスブックは、グルーポン、ジンガ、マイペースといった彗星の如く現れ、急速に衰退していったテクノロジー企業と同じ末路をたどるのではないかと思いました。

 その危機を乗り越えられたのも、「世界をよりオープンにつなげる」というザッカーバーグの掲げたミッション、あるいは理想とする世界の実現へ向けた強い信念があったからこそです。

 2011年にはグーグルがグーグルプラスというフェイスブックに対応するSNSをローンチしました。このときもザッカーバーグは慌てることなく、淡々と決められた計画通りに事業を進めたことで、社内の人たちも彼を信じ、団結を強くしたそうです。

 その結果、グーグルにとっては時すでに遅し。ユーザーは使い慣れたフェイスブックからグーグルプラスに乗り換えることなく、数ヶ月で勝負はついてしまいました。

決断:収益0のInstagramを10ドルで買収

 急成長を遂げる企業には、必ず大きな節目となる決断があるものです。

 この本で数多く紹介されているザッカーバーグの決断の中で、とりわけ印象的なのは、ヤフーからの10億ドルの買収提案を断ったこと、そして誕生したばかりのインスタグラムを10億ドルと言う破格値で買収したエピソードです。

 詳しくは本書を読んでのお楽しみにしていただくとして、いずれの決断もザッカーバーグがお金儲けや損得勘定で動く人間ではなく、自分のミッションである「世界をよりオープンにつなげる」に忠実であること示す好例となっています。

 いつもジーンズにグレーのTシャツを着ている年若いザッカーバーグですが、見た目の印象からは想像しがたい意志の強さや志の高さを持っていることに驚きを禁じえません。

 だからこそザッカーバーグは、フェイスブックをこれほどまでに成長させることができたのでしょう。

将来:フェイスブックの未来への投資

 2016年時点で17億人のユーザーを誇るフェイスブックにも、まだ攻略しきれていない国があります。それは中国、インド、ロシア、韓国、そして日本です。

 中国は政府による接続規制を受けているようですが、実はザッカーバーグの奥様は中国系の方で、彼も中国語を学び、中国の大学において中国語で講演を行っているそうです。もしかしたら、中国攻に向けた彼の遠慮深謀かもしれません。

 またロシアと韓国は、フ・コンタクテとカカオトークという独自のソーシャルネットがそれぞれ地位を築いており、日本でもLINEが6000万人のユーザーを擁しています。それに対しフェイスブックは、その約半数と苦戦を強いられています。

 インドは人口が多いもののネットの普及率が低いことがネックとなっていますが、逆にこれからユーザーを増やすチャンスでもあります。そのネット環境についてフェイスブックは独自の衛星を打ち上げる研究を行い、世界中のどこでもネットが利用できることを目指しています。

 アフリカなど人口に対してインフラ投資額が見合わないためにインターネットが普及しにくい地域では、巨大なドローンを24時間飛ばしてネット環境を構築することを考えています。

 この方式であればコストを低く抑えることができるそうで、すでにその技術を持つイギリス企業を買収しています。ほかにも通信速度を上げる技術や、膨大なトラフィックを処理することができるサーバーシステムも自社開発しているそうです。

 こうしてみるとフェイスブックが単なるコミュニケーションのためのアプリではないことが良く分かります。そこまでやるか、というほど「世界をよりオープンにつなげる」というミッションにこだわり、日々新たな挑戦を続けているのです。

 それがフェイスブックとマーク・ザッカーバーグの成功の秘訣なのでしょう。

 最後に一つ付け加えると、洋書の翻訳本は翻訳者の文体によりその印象が大きく左右されることがあります。いかにも翻訳しましたと言うような本は、読み手の波長と合わず読み進むのが苦痛になることもあります。しかし本書は、400ページを越える大書であるにもかかわらず、しかもテクニカルな内容も含まれていながらも、最後まで放棄することなく読み進めることができました。

 著者のマイク・ホフリンガー氏の文章構成力と訳者の大熊希美氏の文章力に「いいね!」を送りたいと思います。

執筆者プロフィール

ひとは
会社勤めの中で開発から管理から国際ビジネスまで
随分と長い道のりを歩いてきました。
その間、本から得た知識や教えが支えてくれたのは間違いありません。
だけど本当は純文学が大好き!
ビジネス書も奥深い名著を紹介したいと思っています。
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