アマゾンの戦略を学べる一冊!「品揃えが大量で安い」を実現できる理由とは?

アマゾンの戦略を学べる一冊!「品揃えが大量で安い」を実現できる理由とは?




 こんにちは。アマゾンで大好きな本をはじめ、様々な商品をポチるのが趣味のノイエです。もちろんプライム会員です。

 わたしのように「ポチるのが趣味」とまではいかなくても、完全にアマゾンと無関係に暮らしているという人は少ないのではないでしょうか。

 誰もが知っているけれど、どことなく謎に満ちてもいるアマゾン。いったいどのようなサービスを、どれくらい提供しているんだろう? そう疑問に思い、アマゾンのビジネス戦略についてに詳しくまとめられている『amazon 世界最先端の戦略がわかる』を読んでみました。

 著者は元マイクロソフト社長で、現在「HONZ」という書評サイトの主宰者でもある成毛眞さん。

 ページ数が多く分厚い本なので、最初は難しそうだと感じましたが、わかりにくい専門用語には必ず丁寧な説明がなされているため、一般の人でも読みやすくなっています。世界最先端の戦略を知りたいという勉強熱心なビジネスパーソンはもちろん、アマゾンという企業に関心のある人なら、誰が読んでも楽しめて、発見のある本です。

 この記事では、そんな巨大帝国アマゾンは、なぜ「品揃えが大量で安い」を実現できるのか、についてご紹介します。



アマゾンの品揃えが桁違いに多い理由

 アマゾンといえば、手に入らないものはないと思えるほど、品揃えが豊富なイメージがあります。実際、「地球上で最も豊富な品揃え」がアマゾンのスローガンであり、その実現のために日々事業の拡大を図っています。

 成毛さんは「品揃えが大量で、安い。シンプルだが、これこそアマゾンが強い理由である」と述べています。

 こうした大量の品揃えが実現できるのは、「マーケットプレイス」のおかげです。マーケットプレイスとは、アマゾン以外の外部事業者が出品できるサービスのこと。

 楽天市場のようなものですが、大きく異なるのは、画面上ではアマゾン直販の商品も他の出品者の商品も、全部同じフォーマットで買えるという点です。そのため消費者は、売っているのがアマゾンなのか他の事業者なのかを気にせずに購入することができます。

 マーケットプレイスで扱う商品は、アマゾン直販の品数の30倍以上で、約3憶5,000品目にのぼるそうです。この信じられない品揃えは、多くの小売業者たちがアマゾンで商品を売っているからこそ実現できるものです。

 なぜ多くの小売業者たちがマーケットプレイスを利用するのかというと、そこには外部の企業が思わず活用したくなる魅力的なサービスがたくさん用意されているからです。

マーケットプレイスを利用したくなるのは「FBA」のおかげ

 「FBA」とは、フルフィルメント・バイ・アマゾンの略で、マーケットプレイスの中の一部門です。

 FBAを利用する企業は、自分のページに「プライムマーク」を表示することができます。プライムマークは、無料で当日・翌日に届くことを示すマークで、プライムマークがあると、やはり商品購入がされやすい傾向があるようです。

 またFBAを利用すると、どんな企業でも、アマゾンのインフラが使用できるようになります。商品の保管から、注文処理、出荷、決済、配送、返品対応まで、すべてをアマゾンがまとめて代行してくれるのです。

 実店舗がなくても、自社のECサイトを作らなくても、アマゾンの倉庫に全部預けるだけで、あとはアマゾンが自社の商品を売ってくれるわけですから、個人商店や中小企業にとっては至れり尽くせりのサービスでしょう。アマゾンの配送機能やカスタマーサービス機能を使えば、世界中の何百万という顧客と接点を持つことが可能になります。

 アマゾンは、進出する国すべてにFBAを導入しているので、100カ国以上の顧客に商品を届けていることになります。世界全体で、FBAを使った配達は、年間10億アイテム以上に達しているといいます。

 こう聞くと、あまりにの便利さにさぞかし利用料金が高いのではないかと想像するかもしれませんが、なんと利用料金も手軽で、月額の固定費がなく、発生するのは商品の面積や日数に応じた在庫保管手数料や、商品の金額と重量に基づく、配送代行手数料のみだそうです。

 中小企業にとっては、使わない理由がないくらいに便利な仕組みですよね。

楽天で売る商品もアマゾンが出荷してくれる

 ちなみにFBAは、なんとアマゾンを経由しない顧客の注文にも対応できるようになっているそうです。それが、2009年にスタートした「マルチチャネル」です。

 簡単にいうと、出荷をアマゾンが代行してくれるという仕組みで、アマゾンの競合である楽天市場やヤフーショッピングでも、アマゾンの倉庫から商品を発送することができます。

 複数のサイトで商品を売ったとしても、やることはアマゾンの倉庫に商品を送るだけ。出荷先を一本化できるこの仕組みについて、成毛さんは「地味だが革命的な仕組み」だと述べています。

 本来、複数のネット通販を手掛ける業者は、自社サイトを含めた複数サイトに出品しているため在庫管理や発送が非常にめんどうになります。でも、「マルチチャネル」を使えば、企業はこの面倒な作業から解放されるのです。

 アマゾンは、出品者にとっても便利すぎるサービスを提供しており、FBAを利用する業者が多い理由もわかるだろう。

 出品事業者にとって便利なことこの上ない、マーケットプレイスという仕組みがあるからこそ、アマゾンはケタ違いの商品数を揃えることができるのです。

 そして、このことはアマゾンが商品を格安で販売できる理由にも関わってきます。

アマゾンがどこよりも安くできる理由

 なぜアマゾンが商品を安くできるかというと、マーケットプレイスで得た出品業者の膨大なデータから、売れ筋商品を機械的に判断することができるからです。

 売れるとわかっている商品であれば、大量に入荷することができますから、スケールメリットが働き、安く仕入れることができます。またアマゾンは直販だけでも品揃えが多いので、値下げすることに躊躇がありません。

 売れ筋商品が機械的にわかり、大量に入荷して自社の物流によって直販することができる。こうした仕組みによって、アマゾンはどこよりも低価格で商品を提供することができるのです。

 安いから多くの消費者が集まり商品が売れる → 商品が売れるから、外部の企業がそのプラットフォームを利用したくなる(せざるを得なくなる) → こうして消費者も企業も、アマゾンのエコシステムの中に巻き込まれていき、アマゾンなしでは生きていけないようになっていきます。

アマゾンを知るために、新しいサービスを使ってみよう

 本書のあとがきで、成毛さんは次のように述べています。

 我々の生活が劇的に変わる裏側に、テクノロジーの塊がある、この企業の存在があることを、もっと多くの人が理解しなければならない。アマゾンという企業について、経営者やコンサルタントなど、経営学のプロフェッショナルだけが知っていればいいという段階ではなくなったのだ。

 この本を読んで、ひとりの生活者としてアマゾンというインフラを避けて通ることのできない以上、子育て中の専業主婦のわたしでも、アマゾンという企業や提供するサービスについてもっと知っていくべきだと痛感しました。

 近頃では、「Amazon Go」というレジでの精算なしで食品を買うことができる革新的な店舗が注目されました。これについて成毛さんは、「いずれも単なる小売業にとどまらず、ネットとリアルの境界を超えるアマゾンのサービス拠点となる」と予想しています。

 こうした変化を実感するためには、やはりサービスを利用してみることが一番だと思います。日本でも「Amazon GO」がスタートしたら、ぜひ、利用してみたいです。また、夫からもらう来月の誕生日プレゼントは、会話型スピーカーの「アマゾンエコー」にしようかな、と考えています。

執筆者プロフィール

ノイエ
北海道をこよなく愛する
旭川市在住の2児の母。
翻訳を勉強しています。
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