『はじめての男の謝罪マニュアル』試し読みページ

はじめに

いったいいつから、ニュースは誰かの謝っている姿を報告するコンテンツになったのだろうかと考えてしまう程、日々記者会見で誰かが誰かに「謝罪」しています。

確かに、人間生きていればミスをし誰かを怒らせてしまい、謝罪しなければならない瞬間はあります。

しかし、正しい謝罪の仕方については、学校で授業もなく教科書もなく、親も、先輩や上司も誰も教えてくれません。

教えてくれたとしても、精神論や当たり前な常識論のみ。

誰もが、突発的に起きた事に対して、瞬発的になんとなくの勘で謝まっているのです。

おまけに、必ず言われるのが「気持ちがもこってない」という台詞。

不思議なもので、正しい謝罪の仕方はわからないにも拘らず、テレビで謝罪会見を観ていると、この人は上手い・この人は下手という事がわかるのも謝罪の特徴です。

そこで、そんな謝罪の初歩マニュアルを、つまりは『はじめての男の婚活マニュアル』みたいな『はじめての男の謝罪マニュアル』を作って下さいと秀和システムさんにムチャぶり。

そして、ライターさんと編集さんが謝罪のプロの企業に取材を重ねた上で、出来上がったのが本書です。

『はじめての男の婚活マニュアル』同様、巻頭の「問答無用で逆鱗に直撃！」にある5つの禁じ手でいきなり、目からウロコが剥がれます。

まさかの時の為の謝罪マニュアル。

あるいは、今まさに、誰かに謝りに行こうとしてしているあなた。

謝りに行く前に本書を買って、まずはカフェで対策を練りましょう。

企画／プロデューサー　おちまさと

男がやらかす5つの禁じ手

　謝ったら負け。なるほど、男のプライドってやつですか。気持ちはわかる。でもプライドうんぬんを語るなら、「いい年こいて謝れない自分」を恥じてくださいよ。かなり格好悪いですから。
　
　本書では「大人の男としての謝罪」について考察していきます。で、まずは準備運動。「こういう謝罪は問答無用でアウト」な例を5つ、ご紹介しましょう。頭に叩き込んでおいてくださいね。

　最近、まともに謝れる男がいない。そんな話をよく耳にします。それも若手に限った話ではなく、いい年をした30代、40代の男もそうだというから、驚くやら情けないやら。まともに謝れない40代とか、あり得ないと思いませんか？

　とは言え謝罪は、不利な状況をひっくり返すという使命を持った究極難度のコミュニケーション。これまでの人生で満足にできなかった男が、いきなり達人になれるはずはありません。

　ならばせめて、マニュアルに頼ってみましょうか。

　本書はそのために存在します。

　「一撃で心をつかむ謝罪フレーズ」だとか「究極のヘッドスピン土下座」だとか、そんな楽しげな必殺技のお話ではありません。

　見た目や話し方、そして普段の根回しといった、基礎的な話なんだけれども絶対に外せないこと。本当に笑ってしまうくらいの超キホンを、「知らないと致命的な絶対ルール」と共に手取り足取り図解する。

　本書は、そこに全力を注いでいます。

*なお、本書に書かれている内容は「絶対解」ではありません。あくまでも「正解の一つ」です。最終的な判断は、各々の自己責任でお願いいたします。

STEP・1 「男の謝罪」のための下準備

無策で乗り切れるわけがない

　考えてみてください。相手はアナタにムカついているんです。場合によっては「コイツだけは許せねえ！」と怒り狂っている。そんなあつく煮えたぎる思いを、アナタの言葉と挙動でおさめなければならない。それが「謝罪」です。どれだけ高難度なコミュニケーションなんだって話ですよ。
　
　断言しますが、行き当たりばったりで乗りきれるシーンは、「謝罪のほんの初歩」に限定されます。だから、無策で乗り切ろうなんて思っているのなら、それは甘すぎる！

　謝罪には、特に「男の謝罪」には、絶対ルールと「ちょっとしたコツ」が沢山あります。STEP1では、そこから真面目に考えていきたいと思います。

1・1「男の謝罪」の絶対ルール

　アナタはもしかすると「理由なく勘に障るタイプ」なのかもしれません。そして、「謝罪結果は人柄やタイプで左右される」という、努力ではどうにもならない事実があるのかもしれない。それでも、大前提となるキホン事項は押さえておかないと話になりません。それだけは間違いないのです。

①謝る理由

　それで謝っているつもりなのかお前？　よくある悪反応ですが、これは「謝る理由」を完全認識せずに、上っ面だけで謝っているからこその反応です。謝罪は「ごめんね」という言葉と共に、「要因」と「今後の対策」についての説明を付けることがMUST。そのためにはまず、「なぜ俺は謝らねばならんの？」を見つめ直す必要があります。