20年後の日本を見据えて働こう
いま就活中の学生や、社会人3〜4年目くらいで転職しようか悩んでいる若手ビジネスパーソンの方たちは、「どんな仕事に就くか」を考える際、数十年後の世の中がどうなっているかについて想像してみたことはありますか?
「親や友人に自慢できるような”今”人気の大手企業に就職したい!」というように、とかく近視眼的な「就社活動」に陥りがちな就活ですが、数十年後の世界を見据えてみると、「今」の捉え方が大きく変わってくることに気づきます。
今回は、20年後というちょっと先の未来において確実に訪れるであろう変化を示し、そうした世界を見据えて働くためのヒントを教えてくれる一冊、『残酷な20年後の世界を見据えて働くということ』を紹介します。
20年後の世界の姿とは?
本書では、次のような予測がなされています。
20年後には、世界は中国一国ができてしまうほどの人口増加を経験し、日本では、東京都が全部なくなってしまうほどの人口減少を経験する。
実はこれ、現在の人口統計から「ほぼ確実に訪れる未来」と言えます。
なぜなら、少なくとも20年後の20歳の若者の数は、(移民政策が大幅に変更されない限り)「今年1年間で生まれた赤ん坊の数」を上回ることができず、将来の人口分布は現在を元にすでに決まってしまっているからです。
さらにいえば、20年後の日本は「人口の4割が60歳以上という超高齢化社会」で、そこでは「60歳以上の方が、25〜60歳の人口よりも多い」世の中となります。
若い人が払う社会保険料や税金は、こういった多数派であるシニアの年金や医療費に消えていくから、これから先の20年間、勤労世代はいくら働いてもなかなか余裕を感じることができない。
人口問題や少子高齢化問題は今にはじまったことではないので、「何をいまさら…」という印象もあるかもしれませんが、「東京都が全部なくなってしまうほどの人口減少」という言葉に衝撃を受ける人は多いはずです。
こうした現実から「逃げきれない」今の若者世代は、これからどんな視点を持って仕事や働き方を選ぶべきなのでしょうか。
20年後に勃興する成長産業に目を向ける
未来の人口分布が現在を元に決まっているように、将来勃興するであろう成長産業や企業も、現在の芽を元に決まっているものです。
「今」人気の企業や成長中の企業に目を奪われるだけではなく、それらの企業や産業が成長している理由や、その背後で起きている変化に目を向け、次の成長産業を予測する視点が大切です。
例えば本書では、全米ベストセラーとなった『ポスト・ヒューマン誕生』の著者であり、ビル・ゲイツに「人工知能の未来を予言しうる最高の人物だ」と言わしめたレイ・カーツワイルの言葉を引用しながら、「遺伝学(G)、ナノテクノロジー(N)、ロボット工学(R)」の3つの分野が世界を変える原動力になると語っています。
もちろんこれら3分野に飛び込めば成功するというわけではありませんが、今後の成長分野であることは確実でしょう。「これらの分野が大きく成長するとき、その周辺で恩恵を授かるビジネスは何か?」「これらの分野のニーズが強まるとき、そこに存在する類似ニーズは何か?」のように、「風が吹けば桶屋が儲かる」方式で発想を広げてみると、次の勃興産業を予測しやすくなります。
会社で働くにせよ、自分で事業を興すにせよ、こうしたマクロレベルでの変化にも視野を広げてみると、今の世の中の捉え方が変わり、就職先や働き方を考える上での指針となるはずです。
未来の成長産業への転職を考えている方は、それぞれの業界・職種について専門的な知識をもったキャリアアドバイザーに相談ができる、転職エージェントを利用するようにしましょう。
「リクルートエージェント」であれば、10万件以上の非公開求人をもっているので、今後成長が期待される企業で、なおかつあなたの強みを活かせる業界・企業を教えてくれます。
本書は、「成長する」「チャレンジする」「守りに入らない」をキーワードに、20年先の世界を見据えて働くためのヒントが詰まった一冊です。
モデルプロフィール
・名前 :下池 莉絵
・生年月日:1992.5.20
・出身 :東京都
・職業 :慶應義塾大学
・将来の夢:お母さんのような母親になる
ご協力いただいたお店
・店名 :art cafe muse
・住所 :東京都渋谷区宇田川町11-1 柳光ビル別館2F
・TEL :03-6427-8174
・営業時間:12:00〜24:00
・定休日 :なし