孫正義やビル・ゲイツはなぜ『孫子の兵法』を戦略の教科書とするのか?

孫正義やビル・ゲイツはなぜ『孫子の兵法』を戦略の教科書とするのか?

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先行き不透明な今の時代こそ古典を読め!

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 ソフトバンクの孫正義社長や、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏をはじめ、数々の名経営者や勝負師の愛読書として絶大な影響力を誇っている『孫子』。

 今から約2500年も前、中国・春秋時代に武将・孫武によって記されたといわれる兵法書が、なぜ現代の経営者たちに支持されるのでしょうか。当然、時代背景も前提条件も違うため、現代のビジネスに応用するには役に立ちづらいと考える人もいるでしょう。

 しかし先行き不透明な現代においては、「あっちの方へ進めば何とかなるはず」という方向性の感覚と、「水がないと人は死んでしまうので、水の確保を最優先とする」といった競争状態での原理原則の数々こそ、生き残るためには何よりも重要です。

 こうした「方向性」や「競争状態での原理原則」の感覚を養うためには、過去の成功体験のような「具体的」なノウハウ集よりも、「方向性」であれば歴史書、そして「競争状態での原理原則」であればまさに『孫子』という古典がうってつけの教材となります。

 このように『孫子』が多くの偉人たちに読み継がれる理由と、いかにして現代のビジネスに活用すればよいかについて極めてわかりやすくまとめてくれているのが、今回紹介する『最高の戦略教科書 孫子』

 本書は、3月1日〜全国約500店舗のTSUTAYA BOOKSで展開されている「美女読書フェア」の対象書籍です。(※一部展開されていない店舗もあります)

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 時代背景も前提条件も違うからこそ、古典を活用するためには、「簡単に言い直せばどうなるのか」「より一般的に表現するとどうなるのか」のように、抽象度をあげて考える必要があります。

 本書はこうした考えのもと第I部と第II部に分けられており、それぞれ「『孫子』とはそもそも何を問題とし、何を解決しようとしたのか」「『孫子』の教えをいかに活用するか」についてまとめられています。

 今回は、女子高校生の時からモデル兼社長として活動して注目を集め、先日卒業したばかりの楠ろあさんと一緒に、『孫子』がなぜ「最高の戦略の教科書」と呼ばれているのか、その理由を紹介します。

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「やり直しの利かない一発勝負」で生き残るための戦略とは?

 現代のビジネス戦略においては、「人や組織は間違えるし、失敗も犯すもの」であることを前提として、「小さく試して、早く失敗し、学習を重ねる」といった手法が有効だと考えられる向きがあります。

 しかし孫武の活躍した春秋時代末期は、国の数は230以上あったといわれており、さらに楚、斉、晋など「春秋十二列国」と呼ばれる強国が覇を競っていた時代です。

 戦争は「国家の重大事」であり、一度負けてしまえばやり直しが利かない一発勝負。こうした状況下では、「負けてはダメ。それどころか勝っても自分が擦り減ってはダメ」という過酷な条件のもと生き残らなければなりません。

 というのも、下手に一対一での泥沼の戦いに陥って戦力や国力を消耗してしまっては、たとえ勝ったとしても第三者に漁夫の利をさらわれてしまいかねないからです。

 それ兵を鈍らし鋭を挫き、力を屈し貨をつくさば、則ち諸侯、その弊に乗じて起こらん。智者ありといえども、その後を善くすること能わず

ーー長期戦になれば軍は疲弊し、士気は衰え、戦略は底をつき、財政危機に見舞われれば、その隙に乗じて、他の諸国が攻め込んでこよう。こうなっては、どんな知恵者がいても、事態を収拾することができない。

 だからこそ、『孫子』には次のよく知られた名言があります。

 百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり

ーー百回戦って百回勝ったとしてもそれは最善の策とはいえない。戦わないで敵を屈服させることこそが最善の策なのだ。

 百回勝っても、百一回目に第三者に漁夫の利をさらわれては愚の骨頂。こうした局面では「いかに戦うか」ではなく、「いかに自分が漁夫の利をさらう側にまわるか」が重要な戦略になるということです。

 現代でいえば、コンピュータやIT業界のように栄枯盛衰が激しく、ずぐに業界勢力図が一変してしまうような環境がこれと似ています。最近では思いもよらない業界がライバルになることも多く、まさに『孫子』の時代同様、「予想もしない勢力が突如として殴り込んでくる」状況といえます。

 コンピュータやIT業界の経営者たちから特に愛読書として親しまれている理由は、ここにあると著者はいいます。

 では、「消耗せずに勝つ」ためにはどうすればよいのか。『孫子』はいかに軍事的に戦わないようにするかを最優先として、政治・外交戦略を駆使しました。

 当然、外交戦略は彼我の力関係によって変わってくるので、「ライバルの方が弱い場合」「彼我が同じくらいの力の場合」「ライバルの方が強い場合」の三つに分類して、それぞれの戦略が記されています。




1. ライバルの方が弱い場合

 必ず全きを以って天下に争う

ーー相手を傷めつけず、無傷のまま味方に引き入れて、天下に覇をとなえる

 自分の方が強い場合は、余計な体力を消耗しないよう「戦わずして人の兵を屈する」を実現します。具体的には、自国の優位な国力を背景とした外交や威嚇によって相手を味方に引き入れたり、傘下に収めたりします。

 現代のビジネスでたとえるなら、「多くの企業が真っ向勝負でシェア争いするなか、対等の合併や非敵対的なM&Aを使って敵対関係を解消し、シェアを大きくさらうような構図」といえます。

 これがうまく続けられれば、国力は増え続け、やがては自分より強大なライバルにも肩を並べたり、場合によっては追い越すことも可能になります。

 「時代の覇権を握るものとは、往々にして敵を叩き潰し続ける勢いではなく、うまく味方に引きいれてしまう勢力なのだ」と著者は言います。

2. 彼我が同じくらいの力の場合

 もちろん力関係の如何にかかわらず、「戦わずして人の兵を屈す」の実現が理想ではありますが、彼我の力関係が拮抗している状況では、一方が簡単に屈してくれることはまずありえません。

 そのため次の二つの策が記されています。

 上兵は謀を伐つ

ーー最高の戦い方は、事前に敵の意図を見破ってこれを封じることである

 その次は交わりを伐つ

ーー次善の策は、敵の同盟関係を分断して孤立させることである

 直接ぶつかって軍事的な戦いをするのではなく、事前に意図を見破って封じたり、敵の同盟関係を分断するといった戦略を講じます。

 こうすることで、自国の戦力を消耗することなく、相手の戦うエネルギーが自分以外の第三者に向けられ、「自分が漁夫の利をさらう側」になるチャンスを狙うことができます。

3. ライバルの方が強い場合

 戦力差とは、基本的に国力差にそのまま比例するものです。戦力差があるのに戦ってしまえば、負けるのは当たり前。

 勝兵は鎰を以って銖を称るがごとく、敗兵は銖を以って鎰を称るがごとし

ーー敵と味方の戦力の差が、五百対一もあれば、必ず勝つ。逆であれば、必ず負ける

 ではどう対策するべきなのか。

 少なければ、則ちよくこれを逃れ、若からざれば、則ちよくこれを避く

ーー劣勢の兵力なら退却し、勝算がなければ戦わない

 自分の方が弱い場合は、「逃げるか、戦わない算段をして生き残りをはかれ」ということです。現代のビジネスでいえば、「いったん強い者の傘下に入ったり、協力者となって生き残りをはかる戦略といえるでしょう。

 この弱者戦略には、「本当にそれでいいのか」と違和感をもつ人もいるかもしれません。しかし『孫子』は、こうした政治・外交戦略を駆使して、軍事的に戦わないようにすることを最優先していたのです。

 「弱者はどのように振る舞えばよいのか」については、第20章でさらに深く考察されています。
 

まとめ

 今回紹介したのは第一章のほんの一部なので、『孫子』の本質的な魅力や、具体的な戦略について役に立つ知識が得られたとは感じられないかもしれません。

 物足りなさやもっと知りたい欲が生まれた方は、ぜひ手にとって読んでみてください。

 未来に対する具体的なマニュアルが持ちづらくなっている今の時代だからこそ、長く読み継がれてきた古典から得られる学びは、これから向かうべき「方向性」の感覚を養うために大きく役に立つはずです。

ライター:渡邊
カメラマン:こば犬

モデルプロフィール

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・名前     :楠ろあ
・生年月日   :1996.6.4
・出身     :群馬県
・職業     :高校生
・将来の夢   :女優さん
・Twitter    :@_ROA666

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