一流経営者の「好き嫌い」から成長企業の戦略の源泉を探る!

一流経営者の「好き嫌い」から成長企業の戦略の源泉を探る!






10秒でチェック!

  1. 成長企業が他の企業が真似できない「何か」を保有しているとしたら、それは経営者の「好き嫌い」が影響を与えているはず。
  2. なぜなら、一般的な「良し悪し」だけでは判断のつかない「どちらも正しい選択」の場合、最終的には「好き嫌い」が反映されやすく、その積み重ねが独自の企業文化を形成していくから。
  3. サイバーエージェント藤田社長は「ヒップホップと麻雀」が好きで、「既得権益」が嫌い。
  4. スタートトゥデイの前澤社長は「人との競争」が嫌いで、「人をビックリさせること」が好き。

「好き嫌い」は経営にどう影響する?

ビジネスパーソンであれば、誰もが今成長中の企業経営者から仕事の学びを得たいと思うことでしょう。

しかし、経営戦略やサービスの特徴を聞くだけでは、本当のところ何が成功の要因で、何がその企業に他社との「違い」をもたらす源泉になっているのかはなかなか見えてきません。

なぜなら、経営戦略とはその企業固有の文脈にきわめて依存するものなので、断片的に切り取るだけでは戦略の全体像を理解することはできないからです。

自然科学の法則のように「どこでも再現可能な一般性」がない経営の論理を探るには、「その経営者は、なぜそのとき、そのような判断をしたのか?」という意図を知ることが重要です。

そこには経営者の「好き嫌い」が大いに影響しているのではないかという仮説をもとに、名だたる経営者たちと「好き嫌い」について語り、「戦略構想の基底にある直感の源泉」に迫ったのが本書、『「好き嫌い」と経営』です。

今回は、サイバーエージェント藤田社長、スタートトゥデイ前澤社長との「好き嫌い対談」をピックアップして紹介します。

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なぜ「好き嫌い」に注目するのか?

そもそも、なぜ経営者の「好き嫌い」に注目する必要があるのでしょうか。

経営者に限らず、誰もが日々のたくさんの判断や決断を迫られるものですが、大事な決断において「良いこと」と「悪いこと」が明確に分かれる場合はむしろ少ないでしょう。

たいてい、どちらも「正しいこと」だけどどちらを取るか選択しなければならない、という場合が多いはずです。

例えば「部下は叱って育てるべきか、褒めて育てるべきか」のような選択は、見方によってはどちらも「正しい」と言えるので、一般的な「良し悪し」の基準だけでは判断のしようがありません。

そうしたとき、最終的に行きつくのは自分の価値観、つまり「好き嫌い」による選択です。

経営者の「好き嫌い」に支えられた選択や決断の積み重ねは、その企業特有の文化を形成し、他の企業にはない「何か」を生む本質的な要因になっているのではないか、と著者は説きます。

経営者の価値注入的なリーダーシップがその企業文化の形成に重要な役割を果たしているとしたら、それはまさに経営者の「好き嫌い」が企業文化にも少なからず影響を及ぼしているということです。経営者の好き嫌いを知るというのは、その向こうに広がっている、企業の組織能力のありようを知る上で有用なアプローチだと僕は考えています。

では、優れた経営者たちの「好き嫌い」は具体的にどのような形で経営戦略に影響を及ぼしているのでしょうか。

サイバーエージェント藤田社長の「好き嫌い」

「21世紀を代表する会社を創る」をビジョンとして、2000年に史上最年少(当時)の26歳で東証マザーズ上場を果たし、14年の8月には東証1部へと市場変更したサイバーエージェントの藤田社長。

移り変わりの早いインターネット業界で、第一線を走り続ける藤田さんの「好き嫌い」とはどんなものなのでしょうか。

ヒップホップと麻雀が好き。

藤田さんのヒップホップ好き、麻雀好きは、彼の著書やブログの読者にはよく知られています。

ヒップホップはもともと「虐げられていた人たちが自由に表現する手法として生まれたレベルミュージック」なので、歌詞が反骨精神に溢れていて、ベンチャー精神を維持する上での刺激となるから好きだと言います。

僕くらいの年齢になると、ゆるみそうになる。「まあ、いいです。どうぞ、どうぞ」みたいな部分が出てくるのです。でも、ベンチャー精神を維持しないと会社を拡大できません。そういう意味でヒップホップは大事ですね。

麻雀が好きな理由は「不平等なところからスタートする」から。

牌を見て、圧倒的に不利な牌ばかりなら、「今に見てろよ!」という反骨精神が生まれ、運を読んで勝負に出る。このように、自分の技術だけではなくその場の流れや運によって勝敗が左右される麻雀には、ビジネスと類似する部分があると言います。

ガラケーからスマホへ一斉シフトしたり、ブラウザアプリからネイティブアプリへ方向転換したように、藤田さんは市場の流れに合わせて大胆な経営判断をされるイメージがありますが、こうした判断の根底にも、ヒップホップや麻雀好きな自身の嗜好が影響しているのでしょう。

今まで築き上げたものをパッと捨てて、新しいものをやる勇気が必要な業界なので、そういう意味では変化が好きでしょうね。会社はもう築き上げたものだから大事にしていますが、事業に関しては「いつでも撤退できる」という身構えが大事だと思っています。



既得権益が嫌い。

一方、嫌いなものは「既得権益」。既得権益の世界は「守ろう」というパワーが強いため、そうした中に入れてもらうには低姿勢で下から入っていかなければならず、面倒な点が多いからだと言います。

インターネット業界を選んだのも、新しく出来上がってきた市場だったため、既得権益によって守られた領域が少ないからというシンプルな理由です。

サイバーエージェントの採用が「どこかで成果を上げたすごい肩書きの人」でななく、新卒メインであることも、「新しく採って育てることが好き」という藤田さんの好き嫌いが反映されていると言えます。

スタートトゥデイ前澤社長の「好き嫌い」

ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を立ち上げ、07年に東証マザーズ、12年には東証1部上場を果たした前澤社長。

同社では「基本給、ボーナスは均等で、点数による人事考課もなし」、9時から15時までの「六時間労働制(ろくじろう)」など、ユニークな人事施策を導入しています。その背景には「競争より和や絆を重視する企業文化」があるようです。

本書の対談を読むと、そうした文化の形成には前澤さん自身の「好き嫌い」が大きく影響していることがよく分かります。

人との競争が大嫌い。

前澤さんが嫌いなのは「人との競争」。

「経営者である以上、生き残るために競争は避けて通れないのでは?」と思われるかもしれませんが、前澤さんにとっては「すべてが自分との闘い」で、「人と競って、人に勝とうとは思っていない」と言います。

競争をしないというのは、「マグロの船団」がいるような場所で大勢と競い合うよりも、違う漁法をしたり、潮の流れをみて違う場所を探しにいくことで、めったに獲れない魚をねらうような仕事のやり方をする、ということです。

この点は、同社がネットアパレルで確固たる地位を築きつつも、独自ブランドを作らないという判断にも見ることができます。

いいものを作る人はごまんといるので。今さら僕がやったところで、皆様以上のものや、皆様とは違う価値を生み出せるようなものを作れる自信もアイディアもないですね。

こうした志向が「競争より和や絆を重視する企業文化」を形成し、「基本給、ボーナスは均等で、点数による人事考課もなし」といった制度を導入しても、不平不満が出ずにいられるのでしょう。

当社では、「ボーナスは全員の努力で得た成果を全員でシェアする副産物」と考えています。良い成果が出たのは、特定の個人が頑張ったからではなく、みんながそれぞれの持ち場で頑張ったから、という意識が浸透しているんですね。

(引用元:「当たり前を疑う。」1日6時間労働導入の狙い。スタートトゥデイが、型破りな人事制度に込めた想いとは?| 東洋経済オンライン)

人をビックリさせるのが好き。

「友達の誕生日会ならサプライズをしたいと思うし、チャンスがあれば何かしら企画したい」と言うように、前澤さんは人をビックリさせたり喜ばせたりすることが好きだと言います。

また、そうした発想で始めたことが次第にビジネスになっていったとのこと。

サービスだったり、商品だったり、アイディアだったり、自分の好きなことを選んできたら、「それがお金になった」というのが、僕にとってのビジネス。基本はずっと「自分の好きな仲間や友達をビックリさせてやろう。驚かせてやろう」ですね。いまだにそればっかりです。

2013年には、新サービスの「WEAR」をリリースして日本最大級のファッションコーディネートサイトの地位を確立するなど、ますます存在感を高めているスタートトゥデイ。

こうしたサービスのアイデアも、「人と同じやり方はしたくない」「人をビックリさせたい」といった前澤さんの「好き嫌い」が影響していると言えるでしょう。

まとめ

本書では、この他にも日本電産永森社長、ファーストリテイリング柳井社長、経営コンサルタント大前研一氏など、錚々たる顔ぶれ合計14名との対談がつまっています。

日本経済を牽引する企業リーダーたちの「好き嫌い」が、戦略構想にどのような影響を与え、どのような企業文化を築く根源となっているのかに注目しつつ、自身の仕事にも当てはめてみるとよいでしょう。

あなたの「好き嫌い」がどのように仕事の質に影響を与えているのかを見つめれば、他にはない競争力を高めるためのヒントが見つかるはずです。

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モデルプロフィール

・名前     :橘ひろな
・生年月日   :1992.5.23
・出身     :千葉
・職業     :タレント、モデル
・将来の夢   :自分が好きなことができればいいな。
・Twitter    :@hirona523
・ブログ    :『橘ひろなのたちばなし〜♪』

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