大学中退して起業するのは正解?「人と違うこと」をして成功する人たちの思考法

大学中退して起業するのは正解?「人と違うこと」をして成功する人たちの思考法






10秒で要点チェック!

  1. 世界を進歩させるオリジナルの人の多くは「天才児」ではなく「ふつう」の人。
  2. 「ふつう」の人はリスクを恐れ、できるだけ避けようとするため成功できる。
  3. 成功する起業家は、ある分野で大胆なリスクをとるために、その他の分野でことさら慎重になるなどバランスをとっている。

誰もが「人と違うこと」ができる時代!

 モノやサービスが溢れ、差別化が困難になってきている昨今、人と違うことができる「オリジナル」な人物の価値は、一層重要性を増してきています。

 しかし人と違うことや新しいことを行うには、極端なリスクを冒さねばならないという認識が深く根付いており、「自分には到底できない」と一線を引いてしまう人も多いでしょう。

 ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズといった偉大な起業家に大学中退者が多いことを例に出して、「成功するには大学中退するくらいの思い切った決断力や、リスクを厭わない勇気が必要なんだ」と短絡的に結びつけてしまう人も多く見受けられます。

 果たして成功する起業家たちは、人と違うことをする際、リスクをどのように考え、行動しているのでしょうか。そのヒントは『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』にありました。

 本書によると、「起業家は一般の人たちよりもリスクを好んでいるわけではない」という研究結果が相次いで出てきているといます。

 現在、起業を目指して活動中の現役大学生・吉田ももみさんにとって、起業を成功させる上で本書の学びが有益であることは間違いありません。

 ということで、「吉田ももみ起業物語」6冊目として『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』から、「人と違うこと」をして成功するための考え方についてご紹介します。

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世界を進歩させるのは「天才児」ではない

 本書の主張でもっとも興味深いのは、世界を進歩させるような「オリジナル」な人たちは、私たちが思うよりもずっと「ふつう」の人であるということです。

 ふつうの人というのは、幼少期から猛烈な勢いで知識や能力を習得していく”神童”と呼ばれる天才児でもなければ、リスクに対して恐怖心を感じないような特別な免疫をもった人物でもないということです。

 心理学者の研究によるとむしろ、「歴史上もっとも優れ、多大な影響をおよぼしている人たちは、子ども時代にはさして才能に恵まれていたわけではない」と言われています。

 なぜなら天才児というのは、独自のルールやゲームを考え出すよりも、両親からの承認や教師からの称賛を得るために、既存のゲームで体系化されたルールに従って成果を出そうとする場合が多いからです。

 心理学者のエレン・ウィナーは「苦もなく素早く学ぶことができる」子どもから、「既存の世界を、よりよくつくり変える」大人へと、「苦しい変化」を遂げなくてはならないと語っています。しかしほとんどの天才児は、その茨の道を行くことがありません。

 既存の枠内での成功を重視すればするほど、失敗を恐れるようになり、必ず手に入る成功に向かってしか努力しなくなってしまいます。

 天才児は、「よい成績をとろう」という意欲が足かせとなって、オリジナリティが二の次になってしまう場合が多いのです。



起業するには学校や本業をやめるべきか?

 オリジナルな行動をとるためには、人と違う新しいことを試さなくてはならず、それにはある程度のリスクを受け入れなければなりません。

 そのため起業家は、一般の人たちよりもリスクを恐れない特別なメンタリティをもっていると思われがちです。

 スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツのようなカリスマを、「大胆にも大学を中退し、一か八かの賭けに出て、ガレージでコツコツ作業をしながらビジョンを実現させようとした人」だと崇め、「自分にはそんなリスキーな行動は取れない」「彼らは自分とは異なる才能をもった人たちなのだろう」と考えてしまう人は多いと思います。

 しかしこの点においても、成功する起業家が「ふつう」の人と大きく変わっているわけではありません。

 たとえばアメリカ人を対象としたある調査で、「起業をする際、本業を続けるのとやめるのではどちらがいいと思うか?」という質問をしたところ、起業に専念することを選んだ人は、自信に満ちたリスク・テイカーだった一方で、本業を続けたまま起業した人は、リスクをなんとか避けたがっており、自信の程度も低かったといいます。
 
 たいていの人は、リスク・テイカーのほうが有利だと予測すると思いますが、研究の結果は逆で、本業を続けた起業家の方が、やめた起業家よりも失敗の確率が33%低かったのです。

 リスクを嫌い、アイデアの実現可能性に疑問をもっている人が起こした会社のほうが、大胆なギャンブラーが起こした会社よりも存続する可能性が高いということです。

 言われてみれば当たり前のことなのですが、私たちは成功者がとった「リスクを厭わない大胆な行動」にばかり注目してしまう一方、その裏でいかにリスクを抑えるための行動をとっていたのかについてはあまり気にしていません。

 そのため「自分にはそんな無謀な挑戦はできない」と考え、成功者は自分とは違うメンタリティをもった特別な人間なのだと思い込んでしまいます。
 
 近年『ファスト・カンパニー』誌で「もっとも革新的な企業」の上位にあげられた企業の創業者の大部分が、起業後も本業を続けていたといいます。

 成功する起業家の多くは「安全に戦う道」を選んでいるということです。

 現状を打開しようとするような人たちは、外見的には大胆で自信満々に見える。だが、その表面をはがしてみると、彼らも恐れやためらいや自己不信と戦っているのだ。(中略)「リスク大歓迎」のように見えても、できればリスクは避けたいというのが本心なのだ。

 たとえばスティーブ・ジョブズと共にアップルコンピューターを立ち上げたスティーブ・ウォズニアックは、設立後もしばらくの間ヒューレット・パッカードでエンジニアを続けていたし、グーグルの創業者ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは、「博士号過程をやめることが不安だった」ため、ぎりぎりまでスタンフォード大学大学院での学業を継続していたといいます。

 またマイクロソフト社創業のためにハーバード大学をやめたビル・ゲイツも、大学2年生のときに新しいソフトウェアを販売していたものの、それからまるまる一年間は学業を継続しており、学業をやめたときも、退学はせずに休学届を出していたそうです。

 こうした事実を知らないと、偉大な起業家たちが大学を中退して成功したという「点」のみを捉えて、「成功するには大学中退するくらいの思い切った決断力や、リスクを厭わない勇気が必要なんだ」と短絡的に結びつけてしまします。

 しかし実際は、「ふつうの人」と同様にリスクを恐れ、可能な限りリスクを避けたからこそ成功できたともいえるのです。

 もっとも成功を収めている人は、向こう見ずに飛び込むような人ではなく、「崖の縁までおっかなびっくり歩いていき、降下の速度を計算し、パラシュートは点検に点検を重ね、念のために安全網を設置しておくような人」だと著者はいいます。

成功する起業家はリスクのバランスをとる

 成功する起業家は、リスクを「ポートフォリオ」によって考えるといいます。

 つまりある分野で危険な行動をとろうとするのなら、別の分野では慎重に行動することによって全体のリスクレベルを弱めようとしているのです。

 一般的に、起業を成功させるには、時間と労力をすべて注ぎ込み、集中的に取り組まなければならないと思われるでしょう。しかしそう仮定するのは、「バランスのとれたリスク・ポートフォリオの最たる利点を見逃している」と著者は指摘します。

 ある分野において感情の安定と社会的な安定が得られているからこそ、オリジナリティを発揮したい分野で大胆なリスクをとることができます。

 「エンデバー」社の協同創設者で最高経営責任者(CEO)のリンダ・ロッテンバーグは、「もっとも優れた起業家は、あらゆるリスクを冒そうとする人ではありません。リスクテーキングからリスクを取り除こうとする人です」と述べています。

 成功を収めるオリジナルな人は、ある部分で大きなリスクを取るために、別の部分ではことさら慎重になることでバランスをとっているのです。


 

まとめ

 退路をなくして追い込むことを善とする風潮もありますが、本当に成功する起業家は、感情の安定や社会的な安定を確保することの重要性を理解しているため、これらを脅かすようなリスクを不用意に取ろうとはしません。
 
 こうしたリスクを恐れる「ふつうの」メンタリティをもった人物こそ、「オリジナル」な人物として成功する可能性をもっているともいえます。

 本書は、「ふつう」の感覚をもった人たちが、人間の本性に従った無理のない形でオリジナリティを発揮し、成功するための方法について書かれた一冊です。

 人と違う新しい挑戦をしたい人は、ぜひ手にとって読んでみてください。

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モデルプロフィール

・名前     :吉田ももみ
・生年月日   :1995.09.21
・出身     :大阪府
・職業     :大学生
将来の夢    :IT×教育分野で起業、東南アジアでアパレルブランドを立ち上げる
・Twitter   :@moo3oom_
・instagram  :@moo3oom_

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